日産 ルークス 「スーパーハイト系の実力派にして日産の顔」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
2
乗り心地
3
積載性
5
燃費
3
価格
3

スーパーハイト系の実力派にして日産の顔

2026.1.10

年式
2025年10月〜モデル
総評
「ルークス」は日産自動車と三菱自動車工業の合弁会社「NMKV」の手によって誕生したスーパーハイト系軽自動車。ルークスと、三菱「eKワゴン」および「デリカミニ」が事実上の兄弟車となる。このうちルークスは日産が企画、開発を行った軽自動車だ。開放感の高い車内空間と、Googleを搭載したことでGoogleマップ、Googleアシスタント、Google playが使用できる。標準モデルのほか、AUTECH LINEもラインアップする。
満足している点
スーパーハイト系の広々とした車内空間と、ロングストローク型ガソリンエンジン(マイルドハイブリッド機構はなし)のNAおよびターボによる優れた走行性能、そして軽自動車の枠組みを超えた先進安全技術やコネクティッド機能がセールスポイント。従来型でも十分な広さを誇った車内だが、新型ではAピラー(フロントガラスを支える柱)に工夫を凝らして室内長を115㎜拡大した。
不満な点
死角なしといったところだが、走行性能ではやや不満がある。NAエンジンはもとより、高出力モデルのターボエンジンであってもパワー、トルクともに実感として不足気味だ。また、充実した装備の数々はとても評価できるが、運転支援技術群が装備されるグレードでは、装備可能なボトムグレードの「ハイウェイスターXプロパイロットエディション」であっても2,105,400円とやや高い。
デザイン

4

純粋に愛嬌のあるデザインだと思う。往年の日産コンパクトワゴンである「キューブ」を思わせるフロントグリル回りは世代を越えて支持されている。外観は大きく見えることを強調したデザインだ。スライドドアの開口部分も広くとり、乗降性能を確保しながらすっきりとした造形でまとめた。内装デザインは、軽自動車初となる12.3インチの大型統合型インターフェースディスプレイを中核に据えた。2本スポークステアリングもアクセントになっている。
走行性能

2

不満点で述べた通り、走行性能にはあと少しの向上を望みたい。従来型ルークスのユーザーから指摘を受けていた点は改善しつつも、競合車の実力がグンと伸びていることから事実上、相対評価では性能が鈍化した格好だ。カーブでは安定した走りを披露するが、路面が悪くなると若干、心許なくなる。ステアリングの舵角に対して車体のロール(横揺れ)が一気に訪れる印象が強い。
乗り心地

3

ソフトライドな乗り味なので、前席、後席ともに乗り心地は良好だ。しかし荒れた路面では身体の揺さぶられ具合が大きい。これは前席でとくに感じられ、路面の凹凸にあわせて目線も上下に触れてしまうことから、余計に大きな揺れに感じてしまうようだ。ただ、遮音性能はとても高く、エンジンを高回転域まで回したとしても透過音の高まりは抑えられている。
積載性

5

高さを存分に活かした収納スペースだ。後席を使った状態、つまり4名乗車であっても48lの中型スーツケースを4つ積むことができる。また、27インチまでの自転車であれば後席を格納した状態で、前輪を外さずに収納可能。ラゲッジルームの最大長は後席を前にスライドさせた状態で675㎜確保した。車内空間を広くとっただけでなく、収納面でも存分に活かしている。
燃費

3

競合車と比較して若干、燃費数値は落ちる。たとえばホンダ「N-BOX」はNAが21.6㎞/l、ターボが20.3㎞/lだが、ルークスは21.0㎞/lと19.3㎞/lという具合(いずれもカタログ記載のWLTC値で最高値)。都市部を中心とした実走行では、NAが16㎞/l台、ターボが15㎞/l台。乗り方を工夫すればもう少し伸びるし、静粛性が高く上質だが、競合車と比較して数値上は負けている。
価格

3

ベーシックグレードの「S」が1,672,000円、これが4WDになると1,822,700円なので、一見するとリーズナブルに思える。ただ、装備表を読み込むと、「インテリジェントアラウンドビューモニター」など、ルークスのセールスポイントである先進装備がオプション装備としても選択できない。ワングレード上の「X」(1,739,100円/1,889,800円)では選択幅こそ広がるものの僅差だ。よって実質的には「ハイウェイスターX プロパイロットエディション」(2,105,400円/2,219,800円)以上がおすすめだ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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