骨太セダンの傑作車
1992年に新車購入し、2001年まで9年程所有していました。尻下がりのトランクをもつモノフォルムデザインが気に入り、リヤスポイラ
2011.1.22
- 総評
- 骨太セダンの傑作車
1992年に新車購入し、2001年まで9年程所有していました。尻下がりのトランクをもつモノフォルムデザインが気に入り、リヤスポイラーが付くS1パッケージをあえて選択せずにノーマル仕様で購入しました。ボディカラーはブラックにしましたが、濃色の似合う骨太なスタイリングが非常に気に入っておりました。
ところが周囲の反応は冷たく、父親「なんで尻下がりなんか買ったの?」、会社の後輩「鏡餅みたい」、かつての彼女(今の家内)「カッコ悪っ」と酷評に次ぐ酷評(笑)。実際日本では販売も伸び悩み、U13ブルーバードと言えば4ドアハードトップのARXを指す、というのが当時の状況でした。
しかしこのU13 SSSは、扱いやすい5ナンバーサイズのボディに対して、当時のセダンとしてはかなり高いと言える1,405mmの全高を与えることにより、外見に比して抜群の居住性を備える優れたパッケージングを実現していました。販売面ではコンサバなARXや走りのP10プリメーラの後塵を拝しましたが、スタイリング優先の狭小低屋根4ドアが主流の時代に孤高の存在感がありました。セダン本来の機能性と高いボディ剛性による走りの質感を前衛的なスタイリングにくるみ、高次元にまとめていたU13ブルーバードSSSは日産渾身の傑作車であったと信じてやみません。
但し、短所に示した様な細部の作り込みの甘さが見受けられたのは少々残念でした。
- 満足している点
- ■米国NDI(日産デザインインターナショナル)発信のモノフォルムデザイン。北米ウケ狙いのスタイリングは、20年前の日本では先行き過ぎて理解されず。今やプリウスもフィットもモノフォルム。
■前席、後席ともに頭上・足元が広く空間に余裕があり、着座姿勢も良くなる優れたパッケージング。長距離移動した時の疲れ方が違います。トランクも広大。
■レギュラーガソリン仕様だがパワフルなSR20DEエンジン。パワーに見合った4輪ディスクブレーキを装備。
■高いボディ剛性+4輪ストラットサスペンションがもたらす素直で破綻の無い操縦性。
■木目調パネルをあしらった、クラスなりに質感の高い内装。
■ハザードスイッチやエアコンなどの操作系が使いやすかった。
■停止時に針が水平になるスピードメーター、タコメーターがセンス良かった。
■同じブルーバードの名でSSSとARXの2車種併売なんて、コストダウン至上の現在では有り得ない。バブリーの一言で片付けられる話だが、消費者にとって多様性と合理性のどちらが良いのか考えさせられる。
- 不満な点
- ■一見豪華だが、よく見ると細部の作り込みが甘かった。室内側の目に映るところに塗装のタレがあった。パワーウインドウが動かなくなったこと2回。アウタードアハンドルが8年目に経年劣化で割れた。シートベルト巻き取り部品の不具合。ATレバーのクリック感が甘くDレンジを通り越してNレンジに入ってしまうなど。
■2リッターのATではやむを得ないが、燃費が悪かった。平均8km/Lくらい。
■スタイリングの代償でボディ四隅の見切りが悪い。太いAピラーがタイトコーナーで視界の邪魔になる。
■標準のウレタンステアリングは大経で握りが細く、スポーティさ皆無。ナルディのやや小経な本革巻きステアリングに交換したら、感触だけでなく操縦性の良さも引き出すことが出来た。
■195/65R14+スチールホイールの標準タイヤは乗り心地と走りのバランスが良かったが、大振りなボディに対してホイール経が小さく見た目が今一つだった。どう見てもS1パッケージの195/60R15タイヤ+純正アルミホイールの方が好ましかったが、S1パッケージはメーカー装着のセットオプションでリヤスポイラーも同時に付いてしまうため、あえて選択しなかった。
■標準のフロントシートは普通のセダン仕様でサイドサポートは期待できないものだった。これもS1パッケージならセミバケットタイプのシートになったのだが、とにもかくにもモノフォルムを崩すリヤスポイラーは要らなかった・・・。まあ普通に乗ってる分には標準シートで十分でしたが。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験