三菱 ミニキャブトラック 「バブル時代の三菱の良心」のユーザーレビュー

KENEA187A KENEA187Aさん

三菱 ミニキャブトラック

グレード:-

乗車形式:過去所有

評価

3

走行性能
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乗り心地
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燃費
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デザイン
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積載性
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価格
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バブル時代の三菱の良心

2017.2.24

総評
U4x系ミニキャブは、材質の都合上フレームがどうしても腐食しやすいという爆弾を抱えており、鋳鉄ブロックの3G83は重量があるのでどうしても他社と比べて燃費が悪めという弱点こそ抱えているのですが、エンジン・ミッション・足回りとも10万キロを超えてもほとんどへたる様子もなく、非常に頑丈に作られている印象を受けました。単に他社と比べて初期の性能水準が低めなので、劣化が明確に分かりづらいだけと言えなくもないのですが。

ただ、このミニキャブと同時期のデリカトラックも含め、三菱自工が自社生産していた時代の商用車は、農家さんの自家用車や元三菱石油系のGS等を筆頭に多数が現役の車両として走り続けています。三菱のディーラーですら、他社OEM化された後のミニキャブやデリカトラックを乗り換え対象に奨めても、多くのオーナーさんが頑なに乗り換えようとしてくれないと頭を抱える位ですので、他社と比べてもそれなり以上に部品一つ一つにコストを掛けて製造されていたのではないかと思います。

今思うと、リコール隠しから始まり、昨今の燃費不正に至る、三菱自工の車づくりの現場事情が本格的におかしくなり始めたのは、こうした「誤魔化しの利かない」商用車開発から次第に手を引き始めた90年代の末頃からではないかと推測しています。

次世代のU6x系は、U4x系で爆弾であった部分を手堅く直してリリースされた車両ですが、フルキャブオーバーが最後まで設定されなかったのが残念でした。
満足している点
パワーは無いながらも、スローとエアクリのセッティング次第で元気に吹け上がるキャブレター仕様のSOHC 2バルブエンジン。ハロゲンシールドビーム、重ステ、クーラーレス、ビスカス無し水冷ファンという前時代的な装備は、それだけ故障知らずな仕様という事でもあり、街中で荷物を運ぶだけなら申し分なかったです。この2バルブエンジンは発進トルクだけなら、同じ条件のSOHC 4バルブエンジンよりも上だったのでは無かろうかという印象も受けました。
豪華版ワゴンのブラボーから多くの部品が流用できるのも面白かった。農繁グレード用のベンチレーターを付ければ、夏場は余程の酷暑でもなければ走行風のみで十分暑さは凌げました。

私はついに実施する事はなかったですが、5MTへの換装が簡単に行えたり、ブラボー用の5バルブDOHCや4気筒エンジンへの載せ替えなども出来たようで、まさに1/1のプラモデルという感じでした。
不満な点
いわゆる「ケツ下エンジン」なので、どうしても室内がやかましくなります。4MTなので80km/h以上での長期巡航は、騒音面で結構キツかったです。
強制水冷ファンの冷却性能自体は十分あったのですが、冷却水容量が3.5Lとサンバーの半分程度しかないので、冬場はすぐに冷却水が冷えてしまい、再始動時にヒーターがなかなか利かなくてちょっとしんどい時もありました。

ミクニのCV式キャブレターはオートチョークの信頼性がどうも今一つ?で、冬場にエンジンが完全に暖まりきる前に長い直線を走ると、時折停止直後にエンストする事がありました。

最終的に現所有の同型4WD車に乗り換える形で過去所有となりましたが、その決定的な原因はリアLSDを入れても、マッドパターンのタイヤを履いても、荷台にいくら荷重を掛けても、2WDは一度泥濘でスタックしたらどうにもならなくなるという事に、幾度かの失敗で思い知らされたからでしたorz
デザイン

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走行性能

-

サンバーに比べれば回頭性はもっさりしているのですが、ブラボー用のフロントスタビを入れればそこそこコーナーでロールを抑えて曲がっていける、それなりに楽しい車になってくれます。

ミッションはシフトストロークが長めで、クイックさは無いのですが、その分頑丈に作られているようで、走行距離が伸びてもシンクロがへたってギアが入りにくくなるというトラブルとは無縁でした。スタリオンとも共通する点ですが、良くも悪くもトラック用ミッションという感じでした。

リアホーシングにはオプションでLSDを入れられます。完全にスタックすると駄目なんですが、フラットダートを直進するだけならそこそこ走っていける車になります。フロントスタビと併用すると、それなりに面白い軽トラにはなるだろうと思います。
乗り心地

-

38馬力のキャブレター、SOHCエンジンははっきり言ってパワーはありません。オートバイと同じ様な感覚でセッティングや整備が出来る面白さはあるんですけどね。

サスはリアが板バネで乗り心地自体はお察しレベルなのですが、ミニキャブのショックアブソーバーは年数が経っても他社程抜けの具合がはっきりとは分かりません。サンバーはアブソーバーが抜けているとはっきり分かる位フニャフニャした乗り心地になるのですが、ミニキャブはどういう訳かへたりをそれほど明確には感じません。

後継のU6x系も含めて何故かそういう作りになっているようで、本当に不思議な感じがしました。
積載性

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軽トラックなので大物家具から大型バイクまで、かなり色々なものが積めました。
積載性能については文句なしなのですが、フロントブレーキがソリッドディスクなので、重積載時のブレーキ性能はベンチレーテッドのサンバーと比べるとどうしても落ちる印象を受けました。

ひょっとすると、重積載時は総輪ドラムブレーキの10インチタイヤ車の方がブレーキの利き自体は良いのかも分かりません。
燃費

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純正エアクリなら平均で15km/h、良い時で17km/L以上出ました。K&Nだと吹けは良いのですが、平均では13km/L程度まで落ちました。

タイヤの純正指定が5.00-12ですが、これに外径が完全合致するラジアルがもう手に入らないので、燃費を取ってバイアスを入れるか、高速走行時の安定性を取って145R12を入れるかの選択を迫られるのは少々辛いところでした。
価格

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故障経験
ソリッドディスクのフロントブレーキは、何故かパッドの片当たりの不具合が起きやすいので、中古で購入する際にはローターは早めに交換か研磨した方が良いかと思いました。

また、この世代のミニキャブはラダーフレームに高張力鋼を使っているので、どうしても融雪剤などによるフレームの腐食が起こりやすいです。中古で購入する際、特に4WDの場合は必ず車体の下に潜ってストラットの裏側辺りのラダーフレームをチェックするようにして下さい。4WDを中心に、この部分に腐食で大穴が開く事例を幾つか見聞しました。荷台が腐食して既に穴あきまで達している個体には原則手を出さない方が賢明かと思われます。

白色塗料自体もどうもボディパネルへの乗りがイマイチのようで、キャビンの下回り、特に雨水が垂れ落ちる部分を中心に集中して錆が出やすいようでした。天井もフィン状に成型してある角を中心にやたら錆びているものが多く見られます。鉄板自体はかなり頑丈なようなのですが’、表面錆は必ずといって良い程多発するので、長く維持される場合は腐食穴になる前にその都度しっかりケアしていく必要があると思います。

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