MG のみんなの質問

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車重と制動距離の物理学的な考察についての質問です。

「車重が重いほど制動距離は延びる」
という主張に対して、今までも物理学的な考察によりそれに疑問を投げかける質問がここにありまし

た。

その解答の多くは、ブレーキとはタイヤと路面の摩擦ではなく、タイヤとブレーキローターの摩擦による
とする考えによって解消しようとするものでした。確かに、ブレーキ踏力を一定と仮定すれば、質量に比例して制動距離は延びます。
ma = F,F = const.

しかし、現実にはブレーキ踏力は必要に応じて変化し、制動距離が問題になるような状況、つまり急制動時ではABSの有無によらず、一般ドライバーなら力一杯ブレーキを踏むので、やはりタイヤと路面の摩擦に依存すると思います。(力一杯ブレーキを踏めば、タイヤがロックする(ロックしそうになりABSが介入する)でしょう。)

前置きが長くなりました。
ここで、車重m(kg),タイヤと路面の静止摩擦係数μ,同動摩擦係数μ',車速v(m・s^-1),重力加速度g(m・s^-2)とします。車は直線道路を等速直線運動していて、進行方向を正方向とします。また、使用は一般的な車両です。ABSはロックするギリギリ限界の制動力を保てると仮定します。

よく制動距離が問題となる雪道において、空気抵抗の無視できる比較的低速な状況を仮定します。ただし、路面はアイスバーンで新雪はないとします。
ABSの有無により、2つの運動方程式を立てます。
ma1 = -μmg…①
ma2 = -μ'mg…②

①,②より加速度a1,a2が求まり、やはり
a1 = -μg
a2 = -μ'g
となり加速度から質量の項目は消えます。
制動距離x(m)はx = -v^2/2aですから、制動距離からも質量の項目は消えます。

と、このように高校物理の理想的条件のもとでは車重は制動距離に関係ないという結論が導かれました。
しかし、世の中には冒頭で述べた通り、「車重が重いほど制動距離は延びる」という主張が散見されます。
この主張が正しいと仮定すると、
・車重により摩擦係数が変化する。
・車重によらない力で、影響の大きい力が車体にかかっている。(空気抵抗は影響が小さいとしました。)
など、仮定や前提条件が現実とは大きく異なることになります。それは何なのか、ご教授願いたいのです。
よろしくお願いします。

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ベストアンサーに選ばれた回答

タイヤとブレーキローターの摩擦なんてありません。
ローターは車軸に固定されており、ホイール・タイヤと同じように回転しています。
そもそも、接してないのに摩擦も何も無い。
ブレーキ機構での摩擦は「ブレーキローター」と「ブレーキパッド」。


車が減速するとはどういうことかっていうと、自動車の運動エネルギーが減ることです。
ブレーキは、運動エネルギーを摩擦によって熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーを空気中に放出する(捨てる)ことで、運動エネルギーを減らし、減速しています。
この場合、タイヤと路面では殆ど滑っていませんので、摩擦熱の発生は小さく、ほぼブレーキ機構での減速となります。
ベーパーロックやフェードは、押しつけ力の減少や、表面炭化によって摩擦力が小さくなって、熱への変換効率が落ちる現象。

ロックすると路面とタイヤの摩擦熱により運動エネルギーが減るわけですが、滑りやすい路面ではその摩擦が起りにくい。
つまり、熱を発しにくいので運動エネルギーが熱エネルギーに変わりにくい。(変換効率が悪い)
よって、「制動距離が伸びる」ということになる。

ブレーキでも、路面とタイヤでも、熱エネルギーへの変換効率が同じであれば、車重が重い方が制動距離は伸びます。

じゃあ、やはり重い方が制動距離が伸びるのかというと、同じ車で人や荷物が多くなればその通り長くなる。
これは、同じ車で質量が増大するため、ブレーキにせよタイヤと路面にせよ、熱エネルギー変換効率が殆ど変わらず、運動エネルギーが大きくなっているから。(厳密に言えば、タイヤが重量で凹み、接地面積は増える)

しかし、車種が違うと、現実の自動車の構造が違うので、必ずしも正しくない。

車重が重い車は、ブレーキパッド・ブレーキローターも大型であり、面積が大きい分短時間で熱エネルギーに変換できる。
タイヤも数が多かったり、幅が広いため、路面との接触面積が広く、トータルでの摩擦力が大きい。
重機などでは、無限軌道が使われていて、その接触面積はとてつもなく広い。

車重が2倍に増えても、ブレーキの熱変換効率が2倍になれば、同じ時間で運動エネルギーが減るから、制動時間は同じ。
同じスピードから同じ時間で制動すれば、制動距離も同じ。
だから、車重による制動距離の差は無いってことになる。
タイヤがロックしても、路面とタイヤの接触面積が2倍になれば、その接触面全体での熱エネルギーの発生量(変換量)は時間あたりで2倍になる。


実際は、車重を考慮して、制動距離が大きく伸びないように、車輪やブレーキ(補助ブレーキも含む)を設計している。
(それと、狭い範囲に荷重が集中すると路面も痛めてしまう)
だから、現実の自動車では、路面などの状況が同じであれば、車重が重くても軽くても、同速での制動距離に大きな差は無い。

具体的には、ブレーキを大型にする、車軸を増やしてブレーキ機構の数を増やす、タイヤの幅を広くして接地面積を増やす、タイヤそのものの数が多くして接地面積を増やす、等の方法が取られている。

質問者からのお礼コメント

2013.11.13 11:18

仰る通り、ブレーキパッドとブレーキローターの間違いでした。訂正し、お詫び申し上げます。

運動エネルギーの消却効率って考え方をすると確かに納得できます。
そこらへん、前輪の方が強い制動力を得られることも関係してそうな気がしますね。興味が湧いたので専門書を読んでみようと思います。
ありがとうございました。

その他の回答 (2件)

  • ずいぶんと小難しい話ですが、
    ブレーキの性能差だと思いますよ

    理屈だとブレーキは摩擦を発生させてエネルギーを熱に変換することで制動力を得るわけですが、
    この摩擦を発生させるブレーキ装置が車重に比例した性能にはなっていないため不足分が加速度に応じて大きくなっいき、制動距離の長さに影響してくるということだと思います

    その計算式の前提条件はブレーキの性能も車重に応じて比例していることが前提なのでそういうことになるんじゃないでしょうか

    物理学的なことは全然なので検討違いなら申し訳ないですが(笑)
    例えば同じ車重のトラックでも4輪と6輪では制動距離変わってきますよね
    多分、それと同じことかと思います

  • 理屈はいらねぇ、ブレーキ性能が同じなら重い方が制動距離は長くなる、試してみればわかる。
    空荷の軽トラと積載オーバーの軽トラ、同じ車でも止まるまでの距離明らかに違う。
    理論や計算では無く経験で語っている。
    妄想と現実は違う。

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