メルセデス・ベンツ SLC 「気軽に乗れる希少なメルセデスのクーペオープン」のユーザーレビュー

気軽に乗れる希少なメルセデスのクーペオープン

2022.3.6

総評

絶版となったメルセデスのコンパクトロードスター。屋根を閉めればスタイリッシュなクーペとなりますので、コンパクトな２シータークーペとしても貴重な存在です。購入時に、BMWのZ４（現行）とマツダのロードスターRFが比較候補としてありましたが、Z4は以前所有していたE89と比べると「膨張した感じの」デザインが好みでなかったこと、ロードスターRFはフルオープンではない、ことから選択枝とはなりませんでした。
走りに刺激を求める方には全くもって向かないと思いますが、ぱっと見「カッコ良い」クルマでゆったりとオープンドライブを堪能したい人にはお薦めです。
走りにこだわったクーペや生粋のスポーツカーなどを経験したことのある人にとっては、「なんとも遅く」「なんだかユルイ」と感じると思いますが、後輪駆動のオープンカーとしての優れた特質をしっかりと持っています。私はBMW車を何台か乗り継いできましたが、このクルマを通じ、メルセデスの「あえて主張しない素性の良さ」を実感しています。

満足している点

サイズがコンパクトで扱いやすく、いつでも気軽に乗れて、ターボエンジンなので非力感はなく、燃費も（まあ）良好、熟成モデルゆえ故障知らず、追従クルコンなど現代装備搭載、余裕のタンク容量（70L）で長距離無給油走行可能、屋根を開ければ優雅なフルオープンのロードスター、閉じればスタイリッシュ2シータークーペ、こんなクルマはもう出ないと思います。

不満な点

「走りの素晴らしさ」や「最新機能」を期待して購入すると大いに落胆すると思いますが、私は廃版間近なモデルの非力なグレードをあえて選択して買ったので特段の不満はありません。

デザイン

5

横から見るとちょっと寸足らずですが、
このサイズで「からくりハードトップ」を仕込みつつ、開ければ優雅なフルオープンカー、閉めればスポーティなクーペ、のスタイルを両立しているのは、あっぱれだと思います。

走行性能

3

ハンドリングの素直さをはじめ後輪駆動車としての素性の良さはありますが、山道をかっ飛ばして楽しむようなクルマではまったくありません。
高速道路を含め普通に走る分には全く不足感はありませんが、「刺激的」、「官能的」、「感動的」、ということではどの言葉もあてはまりません。
なお、滑らかに変速する9速のトルコンオートマチック、前車追従式クルーズコントロール、ブレーキホールド、などのラクチン機能がしっかりと装備されていますので、私のような高齢者に「優しい（易しい）」クルマです。

乗り心地

4

この手のクルマにしては、乗り心地は良いと思います。AMGパッケージ非装着モデルの17インチホイールだともっと乗り心地が良いとは思いますが、見た目重視で納得しています。

積載性

1

２シーターオープンに積載性を望んではいけませんが、屋根を開けても中型のバッグくらいはトランクに積むことができますので、夫婦やカップルでの旅行は問題なくこなすことができます。

燃費

3

高速道路と一般道を普通に流して、13～14㎞/ℓ程度です。アイドリングストップを使うともう少し伸びるような気はします。燃料タンク容量が70リットルとこのサイズのクルマとしては大きく、給油後は800キロ以上無給油での走行が可能です。

価格

3

180スポーツの新車価格で、
マツダのロードスターRFより高く、
ポルシェボクスターよりかはかなり安い、
といったところでした。
私はいろいろなオープンカーを乗り継いできた結果、あえてこのクルマのこのグレードを選んで新車で買いましたが、このクルマの新車価格を投じて、初めてオープンカーを買う場合には、高年式のポルシェ718ボクスターの認定中古車を購入する方が色々な意味で無難だとは思います。若い方であるならば、マツダロードスター（ND）の幌車が一押しです。

故障経験

新車購入から2年半の間、まったくトラブルなし。
SLKモデルのマイナーチェンジ車であり、SLKの登場から長い年月を経ているのと、特に新しいシステムや複雑な機構はほとんど採用されていないので、安心して所有できるクルマだと思います。