メルセデス・ベンツ Gクラス 「悪路も強い4モーター電動SUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
2
燃費
2
価格
2

悪路も強い4モーター電動SUV

2025.2.26

年式
2024年12月〜モデル
総評
メルセデス・ベンツのGクラスといえば、クルマ好きなら一度は耳にしたことがある車名だろう。1979年の初代Gクラス登場から45年を経て、2024年にBEV(電気自動車)モデルとして誕生したのが「G580 with EQ Technology」だ。ベースとなったのは2018年に大幅改良を受けた現行型Gクラス。内燃機関を取り外し、各車輪に電動モーターを取り付けた4モーター方式(108kW×4)で駆動する。文字通りの全輪駆動だ。
満足している点
唯一無二の存在であるところ。各国にも4輪駆動方式を用いたBEVはあるが、GクラスのBEVは、これまで45年以上にわたる悪路での高い走破性能をそのままに、一部は内燃機関モデルを上回る性能を織り込んだ。ゆえに唯一無二。さらに単なるBEVではなくて、他のメルセデス・ベンツと同じく先進安全技術やMBUXに代表されるインフォテイメント技術を備え、さらにメルセデス・ベンツらしい乗り味はそのまま保っている。
不満な点
不満というより物理的な問題だ。ベースである内燃機関モデルですら2.5tを超える車両重量だが、BEV化によってさらに重くなった。要因は116kWhの大容量バッテリーと4つの駆動モーター、そしてインバーターなどの補機類。さらにそれらを悪路での走行時に路面とヒットさせないため、強固なケースで守る必要がある。ラダーフレームを上手く活用しているとはいえ、それらを合わせるとかなりの重量物となり、ローンチモデルであるG 580 with EQ Technology Edition 1の車両重量は3120kgに及ぶ。駐車環境を選ぶ一台だ。
デザイン

5

アイコンという意味でも、実際の悪路走破時の視認性という意味でもデザイン評価は高い。基本的なスタイルは1979年の初代から大きく変わっていないように思えるが、時代に合わせて各所が変更されている。インテリアにしてもGクラスの無骨さを残しながら、アンビエントライトや12.3インチのTFT液晶を並べるなど、最新のメルセデス・ベンツらしさを強く演出する。主戦場である悪路走行ではGクラスらしくクリアな視界が確保できるため安心感が高い。死角そのものはあるが、ボクシーなスタイルなので見切りのイメージがつきやすい。ここも美点だ。
走行性能

5

悪路の走破性能は間違いなく5点だが、加えてBEVとしての楽しさも5点。ただし、非現実的な要素というか、アトラクション的な楽しさという意味だ。システム出力は587PS/トルクは1164N・mと強力で、トルクに至っては大型商用車並だが、これらは4つの駆動モーターによる合算値だ。加速力はトルクが左右するため3120kgの車両重量といえども、単純に速い。もっとも悪路を見越した足回りの特性なのでカーブが得意というわけではないが、これまでのGクラスとは異なるBEVらしい走行性能が味わえる。
乗り心地

3

ここは悪路をメインに走行する車両の性格を考えれば5点だが、メルセデス・ベンツらしい上質な乗り心地をイメージすると3点に留まる。内燃機関を搭載したGクラスも同じ3点だ。肝心の悪路では内燃機関にはない走りが光る。たとえば滑りやすい路面で1輪しか駆動力が得られない場面では、各輪の駆動モーターが瞬時にその状況を判断し、駆動可能な車輪に適切な駆動トルクをかけていく。その瞬間的な駆動力配分はBEVならではの持ち味で、車体が不安定な状況になる前に駆動力配分が行われるため、乗り味も一層、滑らかになる。
積載性

2

ボディサイスは大きいがラゲッジルームの床面積はそれほど広くない。しかしながら後輪の張り出しも抑えられ立方体に近いことから積みやすく、高さ方向にもゆとりがある。横開きのリヤドアは右側通行用で右側が開く方式。日本の道路環境では使いにくさはあるが、横開きなので全開にしなくとも荷物の出し入れができる。
燃費

2

BEVなので電費性能。カタログのWLTC値では3.81km/kWhで、AER(All Electric Range/充電一回あたりの走行距離)は530kmを公表する。乗用車系BEVの半分程度の電費性能だが、正直、内燃機関のGクラスもそれなりだ。ガソリンモデル(G63)の燃費数値はWLTC値で6.8km/L、市街地モード値は4.7km/Lなので、BEVになったからとたんに悪くなったわけではない。電費や燃費を伸ばすために造られたわけではなく、駆動力を確実に路面に伝えるためのクルマなので、ここは納得した上でお乗りいただきたい。
価格

2

装備内容と性能からすれば妥当だ。G 580 with EQ Technology Edition 1の価格は2635万円。内燃機関モデルのボトムグレードであるG 450d(ISG)が1824万円、その上のG 63(ISG)が2820万円なので、BEVになっても安価になるのか、と誤解してしまいそうになるものの、いずれも間違いなく超高額車。ここからCEV補助金として52万円、たとえば東京都内に住んでいれば自動車税の減税や減免で12万5000円の合計64万5000円が差し引かれる。それでも2570万5000円。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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