マツダ RX-8 「高速安定性がピカ一」のユーザーレビュー

高速安定性がピカ一

2025.6.1

総評

ロータリーEngの振動の少なさが一般的に評価されるが、この振動の少なさが長距離移動に有効なのは意外だった。
特にバルブ系の音が無いことがこんなにストレスが少ないのかと思った。
高級車にこそ搭載されるべきエンジンかもしれない。

また、車両全体のバランスは良いものの、サスストロークの少なさからによる懐の少なさが非常に勿体ない。
これはFDからマルチリンクの基本セットを引き継いだからかもしれない。

この為か市販のスポーツサスはそれなりにレートの高いサスを使ってバンプ、若しくはロールを規制している。
また、Frサスがフルリバウンドした際にアンダーとならない様にRrサスのリバウンドストローク量を切り詰めたスポーツサスが多く見受けられる。
そうなるとロール時のグリップ限界が自ずとノーマルより低くなる。
以上からストリートでのセッティング幅は狭い。
推奨は基本車高はなるべく高く、ロールスピードを遅らせる為にスタビ強化、バンプラバーの硬度、長さ、形状の選択が鍵。
本気でサスストロークを改善しようとしたらスプリングアッパー位置をもっと高くする必要が有りボデーの改造が必要。普通そこまでやらないよね。

満足している点

殆ど出張専用車、遠出専用車になっているが、過去のどの車より高速安定性が高い。
マッタリとかでなく、基本性能が高いというか。

恐らくタイヤ外形の大きさとマルチリンクサスに助けられているのだと思う。

ボデー剛性はそれほど高くない。観音開き4ドアだから致し方ないと思う。
その中で上手くバランスが取れているのは、前後重量バランスとサスセッティングだと思う。


また、ロータリーエンジンならではのスムースさも貢献していると思う。
バルブ機構が無いと、こんなに違うんだというのが乗って分かった。
僅かな違いだが、長時間乗る場合の疲労感に影響していると思う。

マツダお得意の共鳴過給、慣性過給のチューニングもエンジン回転上昇時のスムーズなフィーリングに貢献している。
幾らロータリーだって、過給がマイナス方向になれば物理的にエアが入らないのだから苦しくなる。
2ローター方式の吸気タイミングが過給にマッチしているのかもしれない。

不満な点

兎に角エンジン始動時に被り易い。
なので交差点等でのアイドリングストップが出来ない。
燃費が非常に悪い。20年前でもリッター10km/L行かないのは異常。
この理由はマツダロータリーの冷却回路の構造が悪く燃料冷却が必要なのと、膨張行程後直ぐに大口径の出口にて排ガスが排出される為、熱エネルギーが有効に生かされていない。
その証拠にロータリーは排圧が高い。
ターボでエネルギーを回収するのが有効。
ＦＤでそれなりのターボを選択してセッティングすれば燃費が良いのでは（高回転域を犠牲にしてセットする人は居ないか…）。

Rサスの基本構成は相変わらず変。
ロール時のグリップ限界を高める為にFrよりRr側のリバウンドストロークを取っているけれど、バンプストロークが少な過ぎる。
その証拠にバンプタッチがしょっちゅう発生しておりはバンプラバーが破損している車両が多い。
4名乗車で多少のうねりや段差を通過すると直ぐにフルバンプする。
これでは懐の深いセッティングが出来ない。

デザイン

3

実は初期型の顔は嫌い。後期の方が好き。
だけどいざ所有数すると前期が好き。後期が嫌い。
よく判らん...。

走行性能

4

乗り心地

2

積載性

1

トランク容量はそれなりに有るが、開口部のデザインが悪くチョッとした大きさの荷物が載せられない。勿体ない。
FTOは開口部が上面だけでこれも使い辛いんだけど、それなりの開口面積なので意外と積める。

燃費

1

最悪。言うまでもない。コスモよりは良いかも？

価格

5

中古価格としては非常に手頃。
個体数も多いし程度もまあまあ。
解体情報を要約するとプラグ被りで廃車にしているのも少なからず有る様で勿体ない。

故障経験

プラグ被り。