マツダ MAZDA3 セダン 「内外装ともに美しいセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
4
燃費
5
価格
3

内外装ともに美しいセダン

2021.10.29

年式
2019年5月〜モデル
総評
手頃なサイズの上質な実用セダンとして、存在価値が大きいモデル。まるで上級セダンのようにリッチで洗練されたインテリアの作り込みを知れば、ライバルではなくマツダ3を選びたくなってくるのは事実だ。ディーゼルエンジンの太いトルクと低燃費も魅力だ。
満足している点
端正なデザイン、上質感あふれるクラスを超えた水準のインテリア、そして広いトランクルームをはじめとする実用性。グッドポイントはたくさんある。価格も、ライバルを見渡すとトヨタ「カローラ」よりは高価だけれどホンダ「シビック」よりはコストパフォーマンスがよい。
不満な点
マツダ3に限ったことではないけれど、独自技術の新世代エンジン「スカイアクティブX」を積極的に選ぶ合理的な理由が見いだせないのがなんとも残念。通常のガソリン車より70万円弱高い価格設定で、他社にはできなかった理想の技術の市販化に敬意を払って選ぶなら意義ある選択だが、段違いのパワー感や圧倒的に優れた燃費といったわかりやすい要素がないのだ。
デザイン

5

こんなにも端正なCセグメントセダンがあるのか?と思わずにはいられない美しさ。伸びやかなプロポーションには目を見張るものがある。デザインテイストはマツダ3のハッチバックと共通だが、リアセクションやリヤドアにとどまらず、フロントドアやフロントフェンダーまで別の部品を仕立てているのだから、そのこだわりに驚くばかりだ。
走行性能

4

ハンドリングの志の高さはマツダのこだわり。高速道路の安定感からワインディングロードまで、ドライバーを笑顔にしてくれる走りを楽しめる。パワートレインは、1.5Lガソリンだとやや力不足で、2.0Lになると不満のない加速感。1.8Lディーゼルはゆとりを感じる。注目の新世代ガソリンエンジン「スカイアクティブX」は、確かに爽快感を得られるが、価格に見合うリターンが得られるかと言えば…。
乗り心地

3

2019年にデビューした世代は、初期モデルの多くの仕様は低速域の乗り心地が硬い印象を受けた。しかし遅れて発売した「SKYACTIV-X」エンジン搭載車は当初から、2020年11月の商品改良以降は全車ともその領域でのサスペンションの動きがしなやかになり、乗り心地が向上。中古車で買う場合は、改良後のモデルがおすすめしたい。
積載性

4

ハッチバックに対するセダンの美点のひとつが、積載性の向上。セダンはハッチバックに対して20cm全長が長いが、そのぶんが荷室の拡大に充てられているといっていい。容量はハッチバックが334Lでセダンはなんと450Lもある。後席を倒すことなく床の奥行きが1mを超えるのだから素晴らしい。67Lのスーツケース(中型サイズ)なら3個積める。
燃費

5

もっとも燃費性能に優れる「XD」にはディーゼルエンジンを搭載。WLTCモード値20.0km/L(FF車、以下同)を誇り、軽油は燃料単価も安いから財布にやさしい。1.5Lガソリンと2.0Lガソリンはそれぞれ16.6km/Lと15.8km/Lで、特に前者はロングドライブなら実燃費もそれに近い。注目の「スカイアクティブX」は17.3km/L。自慢のトルクを有効に使ってエンジン回転を抑え気味に走ると燃費が良くなる傾向にある。
価格

3

「高い!」と言われることが多いマツダ3だが、インテリアのクオリティを見れば納得できる人は多いだろう。まるでプレミアムブランドの仕立てでライバルを凌駕するのだから、高めでも仕方がないと思える。実は、ベーシックな「15S」をみると、そんなインテリアも革巻きステアリングも、スマホを接続すればナビとして機能するディスプレイも備えたうえで約220万円の値付けは意外に高くない。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。
マツダ MAZDA3 セダン 新型・現行モデル