マツダ CX-80 「プレミアムクラスに匹敵する上質な仕上がり」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

一条 孝
一条 孝(著者の記事一覧)
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
5
燃費
5
価格
3

プレミアムクラスに匹敵する上質な仕上がり

2024.12.25

年式
2024年10月〜モデル
総評
CX-60の3列シート仕様とも言えるCX-80はマツダSUV群のフラッグシップであり、上質な仕立てと実用性を兼ね備えた力作だ。ほぼ5mの全長と1.9mの全幅は狭い駐車スペースで大きさを意識させられるが、落ち着きのある室内空間と快適な乗り味は好感の持てるもの。3.3リッター直6ディーゼルターボのスムーズな吹き上がりやサウンドも心地よい。細かな問題点もあるが、SUVをファミリーカーとして使いたいユーザーには魅力ある選択肢のひとつと言える。
満足している点
ロングノーズのボディでありながら3列目シートまで実用として使える空間が確保されていること。その際は2列目のスライド機構を多少前寄りにセットする必要はあるが、3列目のシートの造りは並みのミニバンよりもしっかりとしている。内外装の質感も高く、とくにインテリアの仕上がりは輸入プレミアムSUVに迫るほど。FRレイアウトをベースとした操舵フィールのよさ、ホイールベースが3mを超えているにも関わらず、最小回転半径が5.8mにとどまっていることも注目すべきところだ。
不満な点
ステアリングの操舵フィール自体は良好なのだが、ロックトゥーロックが3.2回転と大きめで、交差点などでは操舵が忙しく感じること。ステアリングにはヒーターが備わるものの、握る部分が主体で暖まるので温度にムラがある。これは他のモデルにも言える部分だが、このクラスならばステアリングの全周を均一温度にして欲しい。また、運転席横のセンターコンソールのサイド側にソフトパッドが入っていないグレードも。他のモデルでは用意されるのにCX-80で省いてしまうのは気になるところ。静粛性の高さは乗るとわかるが、減速時のエンジンノイズがちょっと大きめ。発進時の緩い加速の際、1速で引っ張りすぎに感じられるのも気になった。
デザイン

4

CX-60とは異なるドッシリとした佇まい。ホイールベースが3120mmと長く、大径のタイヤを四隅に置いたスタイリングは落ち着きのあるまとまり。フロントマスクにあまり新鮮味を感じさせないが、マツダ車としての記号性を感じさせるエクステリアデザインだ。試乗したXD-Lパッケージのインテリアはブラックとグレージュのコンビが選べ、インパネ上面などにソフトパッドが多用されている。シートはナッパレザーが用いられるなど、デザインだけではなく、触り心地でも上質を感じさせる。
走行性能

5

CX-80は操舵フィールがよく、舵を入れた際のレスポンスも良好。操舵力もCX-60より軽く感じられ、スッキリとした手応えはFRベースならでは。加速時のエンジンフィールの心地よさは振動の少ない直6ならではで、ディーゼルであっても無粋なノイズを発しない。ただ、アイドリングストップからのスタート時に始動音が大きく感じられた。高速ではフラットな乗り味が得られ、静粛性にもすぐれるのでロングドライブは快適に過ごせるだろう。
乗り心地

3

CX-60で気になった乗り心地はかなり改善されている。パッケージ的にもロングホイールベースや車両重量の増加によるメリットはあるが、サスペンションの改良によってストロークにしなやかさが増している。路面の段差を越えた際の直接的なショックはうまく抑えられており、フラット感が増している。
積載性

5

3列目シートを起こした状態でも258リットルの容量が確保され、前に倒して折りたたむと687リットルの容量が得られる。4人乗車時ならば大型のスーツケースも収納可能で、キャプテンシートならば中央にスキー板を積み込むことが可能だ。側面には150Wまで使える電源があり、PHEVならば1500Wまで使用可能なAC100Vコンセントが備わる。
燃費

5

都内を主体とした180kmほどの走行でマイルドハイブリッドは13km/L台、高速や郊外路を約380km走った際のディーゼルは3.3リッターの排気量でありながら16.6kmと優秀。高速走行だけならば20km/L近い経済性も得られるのではなかろうか。PHEVは短時間ながら試乗したが、電費が3〜4kWhとやや物足りなかった。航続距離も最新のアウトランダーPHEV並みの100kmは確保したい。
価格

3

売れ筋のXD-Lパッケージは2WDで478万円、AWDで500万円ほど。かつてのCX-8と比べてしまうと高価な印象は拭えないが、プラットフォームや駆動レイアウトを一新してプレミアムテイストが増したことを踏まえ、昨今の車両価格の値上がりを考慮すると、妥当な価格上昇と言えなくもない。ただ、シリーズにはさらに高価なモデルも設定されており、上級モデルを求めるユーザーにとってはグレード選びが大変かも!?
一条 孝
一条 孝
自動車ジャーナリスト
自動車専門誌の編集&ライターとして活動後、自動車ジャーナリストとして専門誌やWeb、タブロイド紙などに寄稿。運転する楽しさを追求するとともに、環境性能やパッケージングにもこだわりを持つ。これまで保有した車の大半はFRレイアウトのマニュアル車。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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