レクサス NX 「このエンジンだけは何とかして欲しい－レクサスNX250に乗った。」のユーザーレビュー

このエンジンだけは何とかして欲しい－レクサスNX250に乗った。

2025.3.22

総評

実は、レクサスに乗るのは今回が初めてである。
トヨタは日本のメーカーとして好きだし、応援したいのだが、申し訳ないことに自分のクルマの候補に挙がったことはなく、従ってレクサスのお店に行ったこともないのだが、今回カーシェアでNXを借りることができたので、2時間だけ乗ってみた（レンタル代高いのよ）。

レクサスらしい内外装は魅力的だし、大人しく運転している分には何の不満もないのだが、少しでもアクセルを踏み込むとガサツに唸るあのエンジンは何とかならなかったものか。

高級車の必要要素として、余裕のある動力性能は欠かせないのだが、このエンジンはそれを満足するものとは到底思えない。そこが実に惜しいし、その1点だけで自分はこの車を選ぶことはないだろうと思う。

2.4Lターボエンジンを搭載するNX350であればどうだろうか。一度乗ってみたいと思う。

満足している点

1. 上等に設えた内外装。充実した装備。
2. 大きいのに視界を妨げないモニター。
3. 意外に走れる足回り。
4. 良好な燃費。

不満な点

1. 兎にも角にも高級車に相応しくない、力感の薄いエンジン。
2. 低速域の乗り心地にはもう少ししなやかさが欲しいと思う。
3. 少々癖のある操作系。

デザイン

4

外装は☆３つ半。



レクサスのアイデンティティであるスピンドルグリルも大分サマになってきたし、現行モデルになってからヘッドライト周りもスッキリし、各ボディラインの辻褄も合うようになったので、レクサスらしい繊細さと力強さが同居した、よく纏まったデザインだと思う。

内装は☆４つ。

センターに鎮座する14インチの巨大ディスプレイが目を引くが、高さが絶妙でドライバーの視界を妨げないのが良い。クラウンスポーツ同様にボイスコントロールも賢い。
空調はダイヤルスイッチ（イルミネーションが美しい）でよいのだが、ステアリングスイッチがタッチ式で、ステアリング操作の際についうっかり触ってしまい、不必要なメニューが出てきたりするのは鬱陶しい。


今回乗ったのは最廉価グレードの"NX250"で、シート地はL texと呼ばれる合成皮革であったが、表皮が柔らかく、ナパレザーと言われても信じてしまうような上質なものであった。また、最廉価グレードでもシートヒータ、ベンチレーションは標準装備（しかもステアリングヒーター含めて全自動制御が付く）なのは、さすがレクサス。


ドライビングポジションは、クラウンスポーツ同様にステアリングセンターが若干右に寄っているきらいがあるが、それ以外特に問題なし。
電動チルト＆テレスコピックステアリングが全車標準なのも、さすがレクサス。

走行性能

2

最廉価グレードのNX250には、2.5L直列４気筒エンジンが搭載され、201ps/241Nmを発揮する。モーターアシストは付かず、純ガソリンユニットとなる。CVTではなくDirect Shift 8ATと呼ばれる８段トルコンATとの組み合わせ。

このエンジンはハイブリッドやPHEVを含め、トヨタ/レクサス車に幅広く使われるエンジンなのだが、とにかく力感がないし、回した時の音も良くない。
カタログを見ると200psオーバーとNAにしては今時かなりのハイスペックだが、その最高出力は6,600rpm、241Nmの最大トルクは4,400rpmで発揮する。もう少し低中速域のトルクを太らせられないものか。アクセルを少し余計に踏み込むだけで勝手にシフトダウンしてギューンとエンジンが回ってしまうのは、やはり高級感に欠ける。

NX350になると279ps/430Nmを発揮する2.4Lターボエンジンが搭載されるが、もしNXを買うならこっちだろう。ハイブリッドも基本エンジンがガサツなのは変わらないし（クラウンスポーツの項参照）。

乗り心地

4

乗り心地については、低速でやや粗さが残るが、ある程度速度が出るとなかなか良くなる。

ハンドリングは意外と言うことを聞いてくれるタイプで、カーブやアップダウンの多い首都高速２号線をそれなりのペースで安心して走らせることができたのには、感心した。


タイヤはヨコハマ・ブルーアースXT 235/60R18 103Hを履いていた。フロントとフロントサイドガラスに遮音ガラスを奢っているが、ロードノイズはそれなりにする。

積載性

4

荷室容量は後席使用時で520Lとのこと。
床下にも結構な空間があるので、使い勝手は良さそう。

燃費

4

今回は約２時間、都内一般道および首都高速を50kmほど走り、メータ読みの燃費は12.9km/Lであった。
1.6トンを超す車重で純ガソリンエンジンであることを考えると、なかなか良い燃費だと思う。
（うちの自家用車だと、このような条件では多分リッター10kmも走らない）

価格

3

今回乗車したのは、最廉価グレードNX250 2WDモデルで、車両本体価格は485万円。
ハイブリッドは550万円からで、自分が今のところ推しているNX350 Fスポーツは630万円。

うーん、マツダのCX-60の方がお買い得な気がするが、どうだろう。
あちらは直６ディーゼルのXDが400万円少々から買えるし、MHVでも530万円スタートだし。
走らせた印象も、全体的にFRベースのCX-60の方が良かった。

リセールの強さは圧倒的にレクサスだろうけど。
あ、NX250は今年６月末で生産終了になるそうなので、ご注意を。
https://lexus.jp/models/nx/

故障経験

レンタカーにつき、割愛。