ランドローバー レンジローバースポーツ PHEV 「プレミアムSUVにしてPHEVのスポーツモデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
2

プレミアムSUVにしてPHEVのスポーツモデル

2025.3.23

年式
2024年4月〜モデル
総評
レンジローバースポーツに初めて導入されたPHEV。BEVとして走行可能な距離はカタログ値で116kmだから、実際の道路環境においても80km程度はエンジンを停止させた状態で走行可能だろう。搭載エンジンはV型6気筒3.0Lターボに160kW(218PS)の電動モーターを組み合わせた。最高出力は550PS/800N・m。そのレンジローバースポーツは、ラインアップのなかでひときわスポーツ性能を高めたモデルで人気を博している。2列シート仕様で乗車定員は5名だ。
満足している点
優雅なボディデザインとレンジローバーならではの悪路における走行性能。加えてPHEV化されたことによるオンロードでの圧倒的なパフォーマンスの向上だ。走行性能では速さだけでなく、余裕のあるサスペンション設計に加えて、7モードを備える「テレインレスポンス2」、凍結路面や未舗装路まで対応する世界初の「アダプティブオフロードクルーズコントロール」など電子制御技術を組み合わせ盤石の体制だ。
不満な点
世界的な人気車種とあり、グレードを選ぶと長期間の納車待ちが発生している。乗り味や走行性能に優れているだけに、中古車の流通量も少なく高値で安定しており、今やセカンドユーザーとなるにもハードルが高い。もっともこれは車両の不満点ではなく、あくまでも需給バランスによるもの。あえてウィークポイントを挙げるとすれば、AUTOBIOGRAPHY P550eの車両重量は2840kgと重量級である点か。平面駐車なら問題ないが、立体駐車場となると2005mmの全幅も関係して利用できる場所が限られる。
デザイン

5

レンジローバーであることがすぐにわかるデザイン。これも車両の評価を世界的に上げた要因だ。前後のオーバーハングは可能な限り切り詰められ、悪路での高い走行性能を誇示。一転してインテリアは線と面で構成された上質指向。物理スイッチを最小限に留めタッチスクリーン(13.1インチで曲面型)でデジタルチックな車内を演出する。フォントやサイズ、光源にこだわることで独創的な空間を造り上げた。
走行性能

4

走行性能に関して大きな不満点はない。とりわけ悪路での走行性能は非常に高く、サスペンションの標準位置でアプローチアングル/26.1度、ランプアングル/19.1度、ディパーチャーアングル/24.9度。最低地上高は209mm。これがオフロード位置になると、アプローチアングル/33.0度、ランプアングル/24.5度、ディパーチャーアングル/29.8度。最低地上高は273mm。最大渡河水深は900mmを誇る。
乗り心地

4

悪路での走破性能、オンロードでは強靱な走りを見せるが乗り味や上質さを狙った。23インチの大径ホイールを履くため路面の大きな凹凸では上下(鉛直方向)に身体が揺さぶられるものの、揺れそのものは一発で収束する。こうしたすっきりとした乗り味はダイナミックエアサスペンション(ダイナミックレスポンスプロ付)によるもので、ザラついた路面や小さな凹凸では、通過したこと自体がドライバーに伝わらない。
積載性

3

2列目シートは4:2:4の3分割式。開口部分も広く、ラゲッジフロアも平坦で積載はしやすい。ラゲッジサイドの張り出しも徹底して抑えられている。PHEVユニットが収まることから荷室高に制限があるものの、平均的なSUVの高さなので大きな荷物の出し入れには困らない。テールゲートは電動開閉機構が備わる。もっともデザインと走行性能を優先した車体設計なので、ボディサイズからすれば容量そのものは小さめだ。
燃費

3

最高速度242km/h、発進から100km/hまでの加速は4.9秒と、このクラスのSUVとしてトップランクの速さを誇る。その走りを生み出すPHEVは急速(DC)充電と普通(AC)充電の両方が行える。カタログ上の燃費数値は総合モードで10.4km/L、市街地モード7.2km/L、郊外モード11.8km/L、高速道路モード11.6km/L(いずれもWLTC値)。搭載する二次バッテリーへの充電時間はDC方式であれば60分。これでSOC80%まで達する。
価格

2

1685万円。これが今回取材した「AUTOBIOGRAPHY P550e」の車両価格だ。装備が異なるボトムグレード「DYNAMIC SE P550e」であれば1399万円といくぶん安価になるものの、それでもオーナーカーとして購入する車種としては最上ランクの一台。新車での購入は納車待ちが長期化しているため、購入検討しているのであれば販売店の在庫車両をあたるのもひとつの手。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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