ホンダ ヴェゼル 「都市型スポーツを名乗るe:HEV RS」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
4
積載性
5
燃費
4
価格
4

都市型スポーツを名乗るe:HEV RS

2025.11.25

年式
2025年10月〜モデル
総評
フィットのプラットフォームをベースにコンパクトSUV化したヴェゼル。2013年の初代に続いて2021年には2代目が登場した。2024年には小変更を行いながら高い人気を保ち続けている。アウトドアシーンだけでなく都市にもマッチする内外装デザイン、e:HEVによる高い走行性能と優れた燃費性能、使い勝手の良いキャビンが好評を博している。
満足している点
今や貴重なボディサイズとなった。さらに取り回し性能と居住性能、そして走行性能といった3大基本性能がとても高い。これがヴェゼル最大の魅力だ。さらに今回、都市型をうたうヴェゼルのウィークポイントだった車高を低くした追加モデルを投入した。追加モデルe:HEV RSは立体駐車場の高さ制約とされている1550㎜を下回る1545㎜に抑えた。
不満な点
e:HEVに追加されたRSグレードは、ホンダのスポーツモデルに与えられる冠だ。初代シビックの登場から2年後の1974年に初めてRSが登場して移行、フィット、ジェイド、N-ONE、そしてヴェゼルに追加されてきた。RSはロードセーリングの略語で水上での帆走を意味している。スイスイ走ることをイメージした走行性能を突出させたグレードだ。ただしヴェゼルのe:HEV RSは若干、足まわりがハード気味。そこが評価の分かれ目になる。
デザイン

5

好評のボディスタイルはそのままに、追加されたe:HEV RSでは各部に専用パーツを装着した。車体前部では、e:HEV RS専用のフロントグリル&フロントバンパーロアーグリル/フロントバンパーモールディング、側面ではダーククローム化されたドアロアーガーニッシュ、車体後部ではe:HEV RS専用リアバンパーモールディングでこちらもダーククロームメッキ化された。インテリアでは、黒色の天井カラーに合わせて、インパネガーニッシュ&ドアライニングガーニッシュ(赤色の加飾付き)などで引き締め感を高めた。
走行性能

4

シリーズハイブリッド方式のe:HEV本体には手が加えられていないが、RS専用の足まわりによって走行性能は大きく変化した。15㎜分のローダウン化に合わせて、ダンパーの減衰力を高めつつ、スプリングレートも若干高められた。さらに電動パワーステアリングの特性を変更して、操舵した初期から車体が反応するようになっている。じつにRSらしい演出だ。
乗り心地

4

RSの乗り味はハード指向だ。これは市場の動向やユーザーの声から、ヴェゼルにはさらなるスポーツ性能が求められているからだと開発陣は説明する。e:HEV RSではヴェゼルの持つ高い総合性能から走行性能をグッと高めることが狙いだ。よって、道路環境によっては突き上げを強く感じるものの、山道や都市高速などでは車体のロールが少なく、乗り味も良い。
積載性

5

ヴェゼルのRSシリーズとしては新設定となる4WDモデルでも積載性の悪化はなし。ガソリンタンクを車体中央部に配置したセンタータンクレイアウトによって、後席は座面を引き上げる積載モードのほか、通常の前倒しによる大きな床面積を活かした積載モードなどアレンジ多数。ヴェゼルでは側面の凹凸がないので効率的に荷物が積み込める。ここも美点だ。
燃費

4

e:HEVは運転操作に大きく左右されない燃費数値が特徴のひとつ。今回、e:HEV RS(4WDモデル)に渋滞の激しい都市部から、都市高速を大人3名で90分間試乗。その結果は17.9㎞/l。WLTC値は21.4㎞/lだから約84%の値を記録したことになる。e:HEVは登場以降、バッテリーマネージメントの度重なる改良で、燃費数値を高めながら走行性能も向上させている。
価格

4

今回追加されたe:HEV RSの車両価格はFFモデルが374万8800円、4WDモデルが396万8800円だ。これは売れ筋であるベースグレードのe:HEV Zから48万700円高い値付け。しかしe:HEV Zではメーカーオプション扱いのカーナビ「Honda CONNECTディスプレー」、「ETC2.0車載器」(ナビ連動型)、さらにはスマートフォンの「ワイヤレス充電器」が標準装備であるため、実質は約25万円高となる。装備面からすれば納得の価格だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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