ホンダ N-ONE e: 「ホンダの原点「N360」をルーツとした最新BEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
5
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
5
価格
4

ホンダの原点「N360」をルーツとした最新BEV

2025.11.25

年式
2025年9月〜モデル
総評
N-ONE e:は軽自動車規格のBEVとして誕生した。ホンダでは、軽自動車がもつ本来の魅力である身軽さや経済性をBEVとして際立たせることを目的に開発した。これまでの市場調査から、課題は航続距離や充電環境にあるととらえ、実質的なAER(All Electric Range/満充電で走行可能な距離)や充電性能、充電関連サービスを向上させている。同じタイプのパワートレーンを使う軽の商用BEV「N-VAN e:」とは別仕様として、乗用車らしい性能を作り込んだ。
満足している点
日産「サクラ」、三菱「eKクロス EV」に続く、乗用タイプの軽BEVとして不足ない性能をもっているところ。AERは295㎞と日産/三菱勢の180㎞(ともにカタログWLTC値)に対して115㎞のアドバンテージがある。また、ガソリンモデルのN-ONEがもつ愛嬌のある外観デザインを踏襲しつつ、内装では徹底的にシンプル路線として。これも往年から続くホンダらしさがあって好印象だ。
不満な点
筆者のライフスタイルからはN-ONE e:に対する不満はない。仮にマイカーとして迎え入れたとしても、長距離走行ならば公共交通機関を利用するか、その時だけレンタカー/カーシェアリングなどで代用できるからだ。ただし、N-ONE e:一台でオールマイティに使いたいとなると、1545㎜に抑えた車高による室内空間の制約が課題になるかもしれない。具体的には日産/三菱勢は1655㎜のハイトワゴン系なので比較すればここが不満点になる。
デザイン

5

ベースであるガソリンモデルのN-ONEに対して、ボンネットフードの水平基調を強める(_傾斜を弱める)と同時に、テールゲートを専用デザインとしてボリュームをアップさせた。これによりボディ後半にどっしりとした安定感を生み出している。いわゆる前に向かって走り出すようなクラウチングスタイルが強調されたのだ。各所は凝ったデザインで構成せず、シンプルな面構成でまとめられた。BEVでなくとも秀逸なデザインだ。
走行性能

4

電動パワートレーン一式を示すe-Axleは、車体前部のボンネットフード内に納まる。駆動用モーターは小型で高回転タイプを用い、組み合わせるファイナルギヤを低く設定することで、タイヤを駆動する実質的なトルクは1720N・mにもなる。このトルク値は加速力を左右するが、実際、大人4名+荷物で市街地を試乗してみても十分な動力性能であることがわかった。
乗り心地

3

ガソリンモデルのN-ONEが採用するサスペンション形式を踏襲しながら、ホイールベース間に大容量の二次バッテリー(29.6kWh)を搭載するため、その車重増加分に対して、スプリングレートやダンパーの減衰力などを引き締める方向で設定した。しかし、乗り味はハードなものでなく、路面状況が悪くとも突き上げは少ない。これには高められたボディ剛性とサスペンションの取り付け剛性アップが効いている。
積載性

3

使い勝手としては4点だが、ボディサイズからくる制約から3点とした。二次バッテリーをホイールベース間に敷き詰めたことで前席、後席ともに足元スペースはしっかりと確保されている。また、ホンダお得意のセンタータンクレイアウトモデルと同じく、後席は座面をチップアップさせることが可能なので高さのある荷物の積載も容易だ。5:5分割式の後席を前倒しすれば、かさばる荷物も積める。さらにラゲッジフロアの床下にも収納スペースを確保した。
燃費

5

BEVなので電費数値で測る。カタログのWLTCモードによるAERは295㎞。電費の落ちる極寒の冬場であっても、その50%である150㎞以上は安心して走行可能だろう。試乗時の電費性能は、8.2㎞/kWhだった。これは市街地中心で大人1名乗車の値で、WLTC値の86%以上。圧巻はWLTCの市街地モードで13.15㎞/kWh。現時点BEVでトップクラスだ。
価格

4

2グレード構成。上位グレードの「e: L」が3,198,800円、下位グレードの「e: G」が2,699,400円。e: Lでの概算ながらCEV補助金で574,000円、エコカー減税15,600円、東京都住まいなら400,000円(給電機能付車両補助金として100,000円)の合計1,089,600円が優遇されるため、4年間保有後の実質負担額は2,109,200円。東京都の場合でEV周辺機器や再生エネルギーの申し込みが行えるようであれば、最大1,489,600円が優遇され実質1,709,200円に。魅力的だが、本来であれば補助金がなくとも購入できる額面設定が理想的だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ホンダ N-ONE e: 新型・現行モデル

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