これからの時代の主流?
ホンダから発売されていたコンパクト3列ミニバン・モビリオの後継としてデビューしたのがこのフリードです。
ヨーロッパの路面電車
2008.6.1
- 総評
- これからの時代の主流?
ホンダから発売されていたコンパクト3列ミニバン・モビリオの後継としてデビューしたのがこのフリードです。
ヨーロッパの路面電車(トラム)を意識して、背が高く、角ばって、室内スペースを最大限広くというコンセプトのモビリオでしたが、スタイルがあまりかっこよくないとされ、後発のシエンタやキューブキュービックに押され気味でした。
その反省からかフリードは、ウエッジシェイプのスタイルに、最近のホンダデザインのトレンドを押さえた切れ長のちょっとワルっぽいフロント周りと、一見してかっこよく見えるデザインとなりました。
全体的な印象としては、小排気量ゆえ無理をした部分がかなりあり、そういう部分は割り切らなければいけないなと感じるのですが、コンパクトカーベースのミニバンとしてはまずまず頑張った出来であるように思います。昨今のガソリン高の影響か、ミニバンカテゴリー全体の販売台数が前年割れする中、ホンダとしては、出来のいい新型フィットをベースとして、燃費向上と環境負荷の軽減を実現させ、モビリオ以上に拡販することを狙っているように感じます。
もしかしたら、ホンダは環境負荷の大きいステップワゴン以上のミニバンの販売が今後減少する可能性を予測し、フリードのようなコンパクトミニバンを受け皿にしようと考えているのかもしれません。
- 満足している点
- ・居住性の向上
全長4,215㎜のコンパクトな全長ながら、1~3列目までそれほど大きな不満なく座れる空間があります。特に3列目の空間については、前後・横方向とも余裕があり、非常用の域を出なかったモビリオから格段の進化を遂げています。
・少人数乗車だと問題ない動力性能
1~2人で乗っている限りでは、1.3トン近い車重を感じさせない走りです。この車の実質的な使用パターンは、通常はママ+子供1~2人で乗り、休日はそこにパパが加わり、ごくたまにおじいちゃんおばあちゃんが乗るということでしょうが、そのパターンなら不満が出ることも少ないでしょう。
- 不満な点
- ・あまり快適ではない室内空間
タイヤサイズは185/70R14と決して扁平率が高くないにもかかわらず、乗り心地がやや硬く感じます。多人数乗車を想定してサスペンションが固められているのでしょうか?
また、室内空間が広く、かつ遮音が不十分なのか、ロードノイズが車内にかなり響いて気になりますし、重い車重を1,500㏄エンジンで引っ張っているせいか、登坂時などエンジンがやや苦しげな音を立て、それが車内にダイレクトに伝わってきます。
率直に言ってこの車の室内はそれほど快適とは言えません。
・シートが小さい
コンパクトなボディサイズと広い室内空間を両立しようとした弊害がシートに現れているようで、1~3列目すべてのシートがやや小ぶりです。シートは安全性に直結するのですから、せめて1~2列目のシートだけでももう少しコストをかけていただきたいものです。
・2列目シートの足元空間の余裕がない
2列目シートにはスライド機能が備わっているのですが、最後端までスライドさせても足元の余裕がありません。シート座面も短く座っていて落ち着きません。
3列目の空間的余裕をつくるため2列目が犠牲になっている印象です。
・3列目シートの使い勝手がいまひとつ
3列目シートは折りたたんで左右に分割して跳ね上げるタイプ(トヨタヴォクシーなどと同一)ですが、ヴォクシーなどトヨタ勢と違い跳ね上げる際に非常に力が必要で不便です。フロアの高さが低いので、シートを跳ね上げた際の荷室スペースは十分にあるのですが、広さのわりに荷室の使い勝手が悪そうです。
・やや苦しい動力性能
上記したように重いボディを1,500㏄エンジンで引っ張っているため、動力性能に余裕がありません。また全高が1,715㎜もあり、なおかつタイヤが細いため、コーナーで車の上屋全体がグラッとロールして不安定な印象です。あまりこの車で7~8人乗って遠出はしない方がよさそうです。
・価格が割高
試乗車は売れ筋になるであろうグレードのG Lパッケージ2WD7人乗りに、メーカーオプションのHDDナビが付いて220万円という仕様でしたが、コンパクトクラスの車にこの価格は正直高いです。
(なお、価格表を見ると本体価格270万円近い仕様もあってさらに驚きました。)
・シートリフターがない
細かい話ですが、なぜか運転席にシートリフターが装備されていません。シートポジションの自由度は高い方がいいのでは?
- デザイン
-
-
- 走行性能
-
-
- 乗り心地
-
-
- 積載性
-
-
- 燃費
-
-
- 価格
-
-
- 故障経験