ホンダ フィットハイブリッド 「4代目となり大きく開眼したコンパクトハッチ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
3
積載性
5
燃費
5
価格
3

4代目となり大きく開眼したコンパクトハッチ

2022.6.24

年式
2020年2月〜モデル
総評
21世紀にふさわしいコンパクトモデルとして誕生した初代から、4代目ではグッと落ち着いたグレード構成で勝負に出た。しかし、ホンダらしさをユーザーが実感するのは楽しい走りができること。4代目も十分よく走るが、RSグレードなど歴代のスポーツグレードが消滅したことから、地味な印象ばかりが目立ってしまう。搭載技術は走り、安全性ともにトップクラス。際立つ個性が欲しくなる。
満足している点
ホンダらしいアイコン的な外観デザイン、それに呼応するシンプルな内装デザインが最大の特徴だ。ここに歴代フィットが大切にしてきたセンタータンクレイアウトによる多彩な積載モードが加わる。往年のホンダはこうしたデザインに特化した車両が多かったが、フィットはまさにこうした時代を現代風にアレンジしたモデルだ。
不満な点
コンパクトクラスは競合が多く、かつどれもが個性的。そのなかで、シンプルさを全面に打ち出した当モデルは登場時、ユーザーから薄味と評価されることが多かった。ただ、アイコン的なデザインが周知されてくると、次第に実用性の高さから選ばれるようになった。しかしながら、長いモデルライフのなかで、ここまでシンプルに徹していると個性的なライバルモデルに潜在的な顧客を奪われる可能性も……。
デザイン

3

どことなく2001年に登場した初代フィットの面影を残す4代目。標準モデルのほかに、2mm最低地上高を高めたクロスターを用意する。クロスターはボディ下部周囲を樹脂製の黒いカバーで覆いつつ、大径タイヤによってクロスオーバー的な要素を醸し出す。いずれのモデルもヘッドライトが大きくデイタイムライトによる縁取りがなされるので動物的な印象が強くなる。
走行性能

3

直列4気筒1.5Lに2モーター方式のハイブリッドシステムを組みあわせた。i-MMDと称していたものを、このフィットからe:HEVと呼んでいるが、システム構成そのものに違いはなく、いわゆるシーリズ方式のハイブリッドだ。ただしe:HEVとなり走行フィールは大きく変わった。加速中のエンジン回転に対して、有段ギヤのシフトアップのような落とし込みを設けて加速感を聴覚からも演出する。
乗り心地

3

標準モデルは割とシャープな印象。アクセル操作に対するピックアップが良いe:HEVの特徴に合わせて引き締められた印象だ。4WDモデルは重量増と後輪サスペンションの形式が異なるため若干滑らかだ。一方のクロスターはFF、4WDともにおおらかだ。延長されたホイールストロークによってゆったりとタイヤが動く。前後の荷重移動もクロスターがやりやすい。
積載性

5

フィットといえばセンタータンクレイアウトによる多彩な積載モードだ。燃料タンクを一般的な車体後部から前席床下部分へと移設することで、ラゲッジルームの拡大に成功。また、後席座面を背もたれ側に跳ね上げるトールモードでは後席ドアから背の高い荷物が載せられる。しかもラゲッジルームとは別に、車体の床面が使えるので、積載量そのものも増える。小物入れの数も多い。
燃費

5

標準モデルのFFで29.4km/L、4WDで25.6km/L。クロスターは27.2(24.0)km/Lだ。シリーズハイブリッド方式であるe:HEVにはエンジン直結モードが備わる。これにより郊外モードや高速道路モードではカタログ値だけでなく実燃費も伸びる。筆者がクロスターのFFで110km走行した際の燃費数値は30.2km/Lとカタログ値の郊外モードを僅かながら上回った。
価格

3

標準モデルのFFで1,997,600円、4WDで2,195,600円からスタートする。クロスターでは2,288,000円と2,486,000円だ。先進安全技術の類いはほぼ標準装備なので、ここから必要なオプション装備、たとえばホンダコネクト連動ナビなどを加えていくことになる。トヨタの「ヤリス」、「アクア」にしてもそうだが、ボトムグレード 15万円が現実的な価格だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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