BMW 7シリーズ 「BMWの最高峰スポーツセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
3
燃費
3
価格
3

BMWの最高峰スポーツセダン

2022.1.17

年式
2015年10月〜モデル
総評
BMWに乗り続けるユーザーが上り詰めた先に7シリーズを手に入れる、このシナリオを十分に考慮したクルマ造りがなされている。世界広しといえども、ここまで運転が楽しめ、同時に後席でリラックスできるクルマは少ない。振動を感じないV12型エンジンの揺るぎない走りは、この先の電動化で残念ながら消滅してしまうだろう。新車で手に入れるなら今だ。
満足している点
このクラスは性能そのものが優秀であるとともにブランド力や所有欲をしっかりと満たす要素があるかどうか、これが大切だ。7シリーズは内外装デザインにはじまり、立派な佇まい、そしてドライバーズカー/ショーファー、どちらにでも対応できるオールマイティさがある。これこそが最良点だ。操作系統が統一され、他シリーズから乗り換えても迷わない。
不満な点
威厳はあるが、それはあくまでもBMWの解釈。世界のVIPカーからすれば絢爛豪華な部分は明らかに弱い。インテリアの各部スイッチ類にしてもHMIとしては優秀だが、ディスプレイ表示に使われているフォントは3シリーズなどと同じ。どこか量販モデル的な要素が感じられてしまうのが惜しい。フラッグシップモデルらしい専用アイテムがほしくなる。
デザイン

5

どこから見てもBMWだが、他シリーズとは風格が違う7シリーズ。「単にグリルが大きいだけ」と称する声もあるがそうではない。正統派セダンの3ボックススタイルを頑なに守りながら、ボディパネルの抑揚と直線的なラインを融合させた新次元のデザインだ。インテリアもBMWテイストそのものだが、タッチ式、ダイヤル式を巧みに使い分け差別化を図る。
走行性能

5

圧巻は歴史に名を残すマルチシリンダー大排気量エンジン(V12 6.6Lツインターボ609PS/850Nm)。底知れぬパワーだがマナーが良い。荒々しさは一切なく、ストローク量が大きめに取られたアクセルペダルに対し従順に反応する。このほか、直6 3.0Lガソリンターボ&ディーゼルターボのほか、同ガソリンターボのプラグインハイブリッド、V8 4.4Lツインターボがある。
乗り心地

4

ロングホイールベースモデルではショーファードリブンに求められる優雅な乗り心地を提供するが、そこでは終わらない。山道では全長5.3m、車両重量2.3tに迫る巨体をひらりと気持ちよく走らせることも可能。他のガソリン、ハイブリッド、ディーゼルモデルも同様に、基本はしなやかな乗り心地だが、ドライバーが望めばスポーツ走行を高い次元でこなす。
積載性

3

高さのある荷物は積み込めないが、それでもトランクルームは広大。各部の収納スペースも豊富だ。後席のセンターアームレストには専用のPDAが仕込まれ、さらに小物を収納するスペースもある。運転席まわりは他のBMWと同じく電子式シフターの前後に収納スペースとカップホルダーなどが備わる。
燃費

3

V12気筒でも優秀。パワーメーター15%以下、トルクメーターは50%程度で750km走らせて97L消費なので約7.7km/Lとの結果に。取材時の高速道路の走行は80%程度と高めながら、優秀なACCによりWLTCモード(6.7km/L)を上回る。行楽渋滞にハマらず、ECOPROモードを駆使していれば、さらに5%程度は伸びていたかもしれない。
価格

3

"11,320,000円〜26,650,000円までとフラッグシップらしい価格帯。パワートレーンにしてもV12エンジン以外は他シリーズにも同様のエンジン型式が搭載されている。しかしながら、クルマ造りは5シリーズ以下とまったくの別物。超高張力鋼板やアルミ、カーボンなど随所に高価な素材を使い、構造用接着方式も多用する。"
西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
WRカーやF 1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。
BMW 7シリーズ 新型・現行モデル