BMW 1シリーズ ハッチバック 「< Gemini > 実用性をドブに捨てて伝統の直6をぶち込んだ、二度と作れない狂気のオーバースペック・ハッチバック」のユーザーレビュー

たっくN たっくNさん

BMW 1シリーズ ハッチバック

グレード:M135i_RHD(AT_3.0) 2012年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
3
燃費
2
デザイン
3
積載性
2
価格
2

< Gemini > 実用性をドブに捨てて伝統の直6をぶち込んだ、二度と作れない狂気のオーバースペック・ハッチバック

2026.6.8

総評
BMWが「コンパクトクラスで駆けぬける歓びを表現する」という最後の意地と、歪な情熱を注ぎ込んで作った歴史的名車。
実用性やコスト効率というモノサシでは完全に「オーバースペックで非効率な車」ですが、電動化・環境規制が進む現代において、これほどドライバーの五感を刺激するハッチバックは二度と現れません。維持にはそれなりの覚悟(重整備費用)が必要ですが、それを補って余りある強烈な個性を放つ1台です。
満足している点
○「直6縦置きFRハッチバック」という唯一無二の狂気的レイアウト
Cセグメントのコンパクトボディに、3.0L直6ターボ(N55)を縦置きして後輪を駆動するパッケージ。未来永劫、二度と作られない奇跡の掛け算。
○官能的なシルキーシックスのフィーリング
現行の4気筒では絶対に味わえない、滑らかな回転上昇と、高回転まで淀みなく突き抜ける澄んだ排気音。
○格上(3シリーズ)譲りの強固な骨格と基本性能
F30型3シリーズのコンポーネントを流用した、贅沢すぎるシャシー剛性とサスペンション構造がもたらす圧倒的な接地感。
不満な点
○FR化の代償として切り捨てられた「居住性」
長いボンネットにスペースを取られ、後席の足元空間は同クラスのFF車(ゴルフ等)に比べると絶望的に狭い。
○限界域で見せる「M」としてのツメの甘さ
サーキット純血の「M」ではなく公道重視の「M Performance」のため、ブッシュ類のヨレや、機械式LSD非装着によるタイトコーナーでのトラクション抜け(内輪空転)が気になる。
○ Cセグメントの常識を超えた「重整備コスト」
直6特有のオイル漏れ(タペットカバー、フィルターハウジング、オイルパン)や冷却系、足回りブッシュのヘタリなど、維持費は完全に高級セダン(Dセグ以上)のそれ。
デザイン

3

○「ロングノーズ・ショートデッキ」の古典的FRプロポーション
エンジンをキャビン側に深く押し込むため、ハッチバックでありながらスポーツカーのような長いボンネットを持つ。万人受けはしないが、クルマ好きには刺さるサイドシルエット。
○ 「羊の皮を被った狼」的なさりげなさ
一見すると普通の1シリーズでありながら、大径ホイール、ブルーのMスポーツブレーキ、左右2本出しマフラー、専用バンパーが醸し出す「只者ではないオーラ」。
走行性能

5

○ポルシェにも肉薄する、強烈な加速とパワー
最高出力320馬力、0-100km/h加速4.9秒を誇り、高速域からの加速でもシートに体が押し付けられる怒涛のトルク。
○前後重量配分50:50がもたらすカミソリのようなハンドリング
鼻先がグイグイ頭を入り、コーナー出口ではリアから押し出されるFR特有の美しい旋回軌跡。
○ただし、本気で攻めるならLSDや足回りのモディファイが前提
ストック状態では電子制御デフの限界や、パワーに対して足回りがややマイルド(柔らかめ)に感じる場面も。
乗り心地

3

○高速域でのフラット感と圧倒的な直進安定性
3シリーズと同等のマルチリンクサスペンションと強固なボディにより、速度を上げるほど路面に吸い付くような乗り味。
○ 街乗りではやや硬さが目立つ(特にランフラットタイヤ時)
M Performance特有の引き締まった足回りのため、低速域での路面の突き上げや、うねりに対する微振動はダイレクトに拾いやすい。
積載性

2

○ハッチバックとしては「最低限」のレベル
車体中央を巨大なセンタートンネル(プロペラシャフトの通り道)が走っているため、トランク容量や床下収納はFFのライバル車に大きく劣る。
○後席を倒せば、長尺物やタイヤ4本は積載可能
日常の買い物や2人旅程度なら全く不満はないが、ファミリーカーとして荷物を満載するようなキャンプ等には不向き。
燃費

2

○3.0L直6の大排気量ターボとしては「大健闘」
ZF製8速ATの制御が非常に優秀で、高速道路を「ECO PRO」モードでクルージングすれば、リッター12〜14km/L前後まで伸びる。
○街乗りやスポーツ走行時は「相応」のガソリン大食い
ストップ&ゴーの多い市街地や、スポーツモードで直6の快音を楽しんでしまうと、一気に7〜8km/L台まで落ち込む(もちろんハイオク指定)。
価格

2

新車時はバーゲンセール、中古車としては「維持費」に注意
新車当時、このパッケージと直6エンジンが500万円台〜で買えたことは奇跡。現在は中古車市場で手頃な価格で狙えるものの、前述の通り部品代や整備費用は高級車基準。車両価格の安さだけで飛びつくと、維持フェーズで火傷をする。
故障経験

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