バイクや車のレストア動画を見ての疑問です。 乗用車やバイクに使われているM 5〜M8のボルトやナットを締め付けるトルクはボルトにかける必要な軸力を得るために、

Question

トルク係数とネジのサイズで決まるようですが、
１.トルク係数は何が関連して決まる数値なのでしょうか？
２.トルク係数の変動要素は何があってどの位 変動するのか資料はあるのでしょうか？
３.メーカーの設計ではどのくらいの安全率を考慮して指定トルク値を決めているのでしょうか？
４.ネジにオイルなどの潤滑剤を付けた場合のトルク係数の変化値と軸力の変化、ボルトの強度に関する相関が分かりますか？
５.モリブデンを付けるのが禁止事項なのはどうしてですか？
６.ネジを組む時にどのような物なら付けても問題がないのでしょうか？
７.エンジンやミッションに使用しているボルトやナットはオイルを付けて組むのが普通なのでしょうか？
８.モリブデンを添加しているオイルを使用している場合はエンジンを組む時の注意点は何がありますか？
９.エンジンオイルにモリブデンを添加していたらどうしたらいいのでしょうか？
10.締め付けで注意する事はどのような点でしょうか？

Answer 1

軸力がきまる要素はトルクではありません。
ネジピッチと着座後の回転角です。
ネジピッチが分かっていれば、回転角でボルトの伸びが分かります。
伸びが分かれば軸力がわかります。
トルクから軸力を求めるのは目安に過ぎません。
ネジの表面材質、錆の有無、潤滑剤の有無で摩擦係数が変わるので、必用なトルクが直ぐに変わります。
これは計算で算出できないので、設計者も分かりません。
例えばメッキ材質が六価から3価になった時、メッキ表面の摩擦係数が低くなりました。
この結果、各自動車会社の生産ラインで同じトルクで締めたらボルトの頭が次々に飛んでしまい、生産現場からのフィードバックで図面トルクを変更しました。
ボルトサイズとトルクの相関表がありますが、これは目安に過ぎないのです。
つまり、完全にあてになるのは着座後の回転角でその回転角まで回すトルクがいくつかをトライ&エラーで決めています。つまり、やってみないとわからないというのが現実です。
ですから、サービスマニュアルに記載のトルクがつかえるのは新品のボルト/ナットに潤滑剤等一切付けない場合のみです。
錆びたボルトの場合は摩擦係数上がるので、大きなトルクで締めないといけないし、潤滑剤つけたら摩擦係数減るので、少ないトルクで締めないといけない。
そこは整備士の経験による手感によるしかありません。
アマチュアには無理でしょう。