BMW M3 クーペ 「モノが違いますね」のユーザーレビュー

RT141N14 RT141N14さん

BMW M3 クーペ

グレード:M3B 1993年式

乗車形式:マイカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
5
燃費
4
デザイン
5
積載性
4
価格
4

モノが違いますね

2018.5.24

総評
24年落ち(1994年式)、83000km走行の中古を購入しました。通勤を主として2か月・3000kmほど乗ったところでの印象です。

運転しての手ごたえはまさにスポーツカー。入力にたいする反応が即座にちゃんと返ってくるので、速度の高低は問わず運転操作に集中すればするほど、手足の先がタイヤやエンジンに届くような、あるいはクルマがどんどん小さくなってくるような感じがしてきます。

現役当時も、カーグラフィック誌1999年7月号のアウディS4(B5)との比較テスト記事で渡辺慎太郎氏が

「M3はドライバーとつながっているクルマ、S4はつながっていないクルマ」

と評していました。
また、画像の「オートエクスプレス」誌1996年8月号(好きでしたがすぐに休刊…)では、

「乗っていてズッシーンと重たい感じがする」
「チューニングカーだと覚悟を決めて乗ると、まさに夢のようにデキがいい」

などの評もありましたが、いずれもまさにその通りでした。


「BMW M謹製のモデルとはいえ、20年以上もたてばもう出がらし?」という心配も杞憂でした。年月を感じさせない、見た目も中身も凝縮感あふれる出来。まさに目からウロコが落ちるクルマです。
満足している点
全部!! といってもいいのですが、いちおう主なところを挙げます。

・コンパクトなボディ
事実上5ナンバーサイズのFRクーペながら、大人4人(法規上は定員5名!)が普通に乗れる上に、トランクも十分な容量。
衝突安全要求のきびしいこのご時世ではもう造れないでしょう。

・エンジンのレスポンス
気筒ごとにスロットルをおごるとはいえ、ここまでアクセル操作への反応が速いとは思いませんでした。
シフトダウン時の中ぶかしも、これまでの「ブゥオ~ン」という間のある感じから、「ブンッ!!」と文字どおり一瞬。はじめ面食らいましたが、慣れるととてもやりやすいです。
不満な点
なし!! といってもいいのですが、強いていうなら内張りに使われる接着剤などの耐久性は24年の歳月を差し引いて考えても…こんなもの?
デザイン

5

歴代のM3(4)中もっともベースモデルとの差がない、すなわち昨今蔓延するあざとさとは無縁のクリーンな内外装デザインは、まことに好ましいです。

(2020/11/12追記)
登場時点ではクラシカルな02シリーズのイメージをまだ残していたE30型からシンプルかつ見るからに空力に優れたモダンなルックスに大きく変貌したことに驚いたものですが、それから30年が過ぎても均整のとれた控えめな美しさは色褪せていないと思います。
特にクーペやカブリオレの低いボンネットから水平に後ろへ伸びるウエストラインは広いグラスエリア共々安全基準の厳しい今のクルマには望めないもので、年を重ねるほど流麗さが際立ってきているともいえそうです。

内装もシンプルかつ機能的で、「質実剛健」が枕詞だった古き良き時代のドイツ車そのものです。スペシャルモデルらしさを表すのも専用設計のシートに280km/h・8000rpmフルスケールのメーターパネルとその中央下の小さな「///M」ロゴだけといってもよく、とにかく控えめなこと極まりありません。
走行性能

5

これまで所有した中でいちばんパワフルなクルマだけに、絶対的な速さには個人的に文句のつけようがありません。
速さの質にしても、わたしが知るかぎりのダウンサイジングターボとは正反対の「気がつくと速い」感じです。このへんはアルファGTVの3Lでも同じような感じを受けましたが、大排気量NAならではでしょうか?

それにもまして印象的なのが、「さすがビーエムの直6」と唸らされるスムーズきわまりない回転フィールと、「NAだから」のひと言で片づけられない直線的なパワーの伸びです。
回転の上がり方はアルファ156の2.5L V6のほうがドラマチックでしたが、こちらはただただどこまでもリニア。超速レスポンス(「早開き」ではありませんよ!)のスロットルと相まって、緩急自在です。

ブレーキはノーマルのようですが、これまた「感動的」なくらい効き方・タッチともリニアで、コントロールがきわめて容易です。

ステアリングもアルファから乗りかえた当初はスローに感じましたが(ステアリングホイールの径じたいもかなりデカくみえます…測ったら直径385mmでした)、それさえ飲みこめばこちらも予想を裏切られることはありません。
高速道路でのまさしく地面に張りつくような落ち着きはらった走りも実にすばらしいです。

ただ、そのステアリングやシフト・ペダル類、果てはワイパーやウインカーレバーまで、操作力はアルファとくらべるとかなり重くて、はじめはクルマと「格闘」するかのごとしでした。
とはいえ、これほどのパフォーマンスを精確に操るにはそれなりの重さがあって然るべきだろうとも思います。

(補足)
…と初めて乗ったときは勝手に納得していたのですが、直しながら乗るうちに本来の性質はまるで異なることがわかってきました。

ステアリングについてはゴムが劣化したタイヤの要因も大きかったようで、新品への交換で常識的な重さになりました。
さらにフロントサスペンション周りのジョイント・ブッシュ類を一新してアライメントを取り直したところ、直進ですら路面の細かい凹凸などによるタイヤへのわずかな入力がユルユルなほど軽い手ごたえの中にしっかりと感じとれるようになりました。切り込んだときの感触も言わずもがなで非常にリニアかつシャープ。えも言われぬ繊細さです。

またスロットルペダルについても、ケーブルとベアリングブッシュの交換で軽く滑らかになりました。
乗り心地

5

156とは事実上同じサイズのボディ、車重もカタログ値どうしで+100kgでしかないのが信じられないほど、乗り心地は重厚です。

車高調整式のばねとダンパー(ARC CLIMAX-1 システムA?)が入っていて、たしかに路面の凹凸は逐一伝えてくるのですが、受けとめがうまくて突き上げを出すことがほとんどないのは見事です。
ボディのほうも、フロントにはストラットタワーバーとロアクロスメンバー(もとはカブリオレ用だそうです)が付いているとはいえ、大入力にも振動が響くこともありません(ちなみにサンルーフつきです)。
うちのアウディA5スポーツバックとくらべても、硬いのは硬いですがショックの処理は数枚上手です。

あとは重量バランスのよさと重心近くに座るせいか?ピッチングなどの姿勢変化がまるで気になりません。
積載性

4

トランクはショートデッキで開口部が小さいこともふくめ、156と同等の印象です。
ただこちらのほうが車高が低いうえ、床下にフルサイズのスペアタイヤと後輪駆動系も収まるだけに、緻密なパッケージングには改めて舌を巻きます。

あとは床もフラットで、ダメ押しでトランクスルーも付くので、2ドアクーペにしてはかなり実用的かと思います。
燃費

4

詳細は燃費記録に上げていますが、高速と市街地半々で9km/L程度。156の2.5Lとほぼ同等です。
価格

4

(2020/11/12記)
購入時は歴代M3中最も安価といってもよい相場でしたが、2年半が過ぎてもあまり変動はないようです。
これほどの特別なモデルの割にはまだお買得な方ではないでしょうか。
故障経験
とりあえず、納車直後に燃料タンク周囲のホース劣化でガソリン漏れがありました。
製造から四半世紀が経とうというクルマで故障がどうこういうのも、変な話だとは思いますが…。

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