アウディ S5 アバント (ワゴン) 「事実上、A4の後継モデルであるA5/S5」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
3
価格
3

事実上、A4の後継モデルであるA5/S5

2025.4.23

年式
2025年2月〜モデル
総評
アウディではこれまで中核のセダン&ステーションワゴンとしてA4&A4アバントをラインアップしていた。これに近年では、A5スポーツバック(初代2010年、2代目2021年)が加わっていた。今回A5/S5を名乗っているが、これまでのA4&A4アバント、そしてA5スポーツバックを統合した形で、A5/S5(それぞれセダンとアバント)に統合された。A5がベーシックモデルでS5がスポーツモデルという棲み分け。
満足している点
セダン、アバントともにスタイリッシュである点。それでいて運転席からの見切りはよく、乗降性能も優れている。アバントではラゲッジルームのフロア、サイドともに出っ張りがなく積載能力が高い。またインテリアも使いやすい。デジタル化されモニター数も多いが、ドライバー向けにオフセットして配置されていたり、文字そのものが見やすいフォントで大きい文字で構成されるなど、これまでのアウディ同様に、人間工学上の配慮も万全だ。
不満な点
これはアウディに限ったことではないが、マルチ液晶モニターを採用している欧州車の多くは、デジタル的なバグに悩まされる例が少なくない。たとえばカーナビ機能を含むセンターモニターが機能しなくなったり、走行性能には支障がないものの、車載センサーのエラーコードが出てしまったりする例が報告されている。メーカーとしては安全上の問題はないとして、ソフトウェアのアップデートでそれらに対応している。
デザイン

5

基本的なプラットフォーム(車体の土台)を同じくするフォルクスワーゲン各モデルとアウディの各モデルで、もっとも違いを認識するのがデザイン面だ。一目でわかりやすくアウティ各モデルはアイコン化されていて、それがブランド力の形成にも大きく寄与している。近年、衝突安全基準の高まりからボディサイズの拡大が続くが、一例としてA5セダンでは、全長4855mm、全幅1860mm、全高1455mmと日本の立体駐車場(普通車向け)でもなんとか収まるサイズを守り続けている。
走行性能

5

試乗したのはS5アバントだ。V型3.0Lターボ(367PS/550N・m)+18kW/230N・mの電動モーターのマイルドハイブリッド(48V)方式(アウディではMHEV+/マイルドハイブリッド+と命名)を採用する。ターボチャージャーは可変タービンジオメトリーを採用し、駆動方式はクワトロ(4WD)。トランスミッションは7速のDCT(デュアルクラッチトランスミッション)だ。ものすごく速いが、極めて大きなトルクで走る大排気量エンジンのようで、同社のBEVである「e-tron」風味もある。どの速度域からでも思いのままに加速力が生み出せる。
乗り心地

5

スポーツモデルなので「Audiドライブセレクト」を「コンフォート」モードにしたところで多少なりとも角は残る。しかし、有り余るスペックをしっかりと制御する足回り(20インチタイヤ装着)で、しなやかでフラットな乗り味を両立させたのは見事だ。アバント(ステーションワゴン)なのでラゲッジルームに多少なりとも荷物を積載した状態(後輪に負荷がかかった状態)でベストな前後バランスになるように乗り味が設定されているのだが、試乗時は筆者一人ながらも後輪からの突き上げなどは一切なかった。
積載性

4

見るからにスタイリッシュなステーションワゴンボディながら、積載性能は十分だ。リヤゲート下端部分は、バンパーとの間に10cmほどの段差がある。筆者は20年以上、ステーションワゴンを愛車にしているが、フラットが良い場合と段差があったほうが良い場合、それぞれ状況によって利便性は異なる。後席は4:2:4の分割可倒式を採用。センター部分だけを倒せば、4名乗車で長尺物の積載ができる。
燃費

3

いくらマイルドハイブリッド+だからといって、367PSのハイパワー内燃機関だから燃費数値は期待できないだろうと予想していたが、S5アバントを横浜界隈で約70km(うち都市高速道路を50%ほど)試乗した結果、車載の燃費計では11.7km/Lを記録していた。エンジンをかけた状態でモニター撮影を行っていたので、実際はあと10%上乗せされた数値が実数のはずだ。ちなみにWLTC値の総合で13.3km/L。ベーシックモデルであるA5の(マイルドハイブリッド+ではない素の)1.5Lエンジンは、13.4km/Lだ。
価格

3

試乗したS5アバントは1060万円で、これにパノラマガラスルーフ(33万円)などの各種オプションが追加されており1200万円だった。紛れもなく高額だが、国産車も同クラスになると800万円以上となり、走行パフォーマンスを上げていくにもS5のような選択肢が少ない。また、インテリアデザインにしてもアウディは他ブランドとは一線を画す。ちなみにベーシックモデルのA5は599万円〜。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
アウディ S5 アバント (ワゴン) 新型・現行モデル

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