アルファロメオ ジュリア 「運転嫌いには向かない－アルファロメオ・ジュリアに乗った。」のユーザーレビュー

運転嫌いには向かない－アルファロメオ・ジュリアに乗った。

2025.9.21

総評

顔が変わる前の2021年式ヴェローチェに試乗した。
中古車と言うこともあり、ディーラー周辺の幹線道路を5~6km走っただけだが、意のままに操れる運動性能、カッコいい内外装には本当に惚れ惚れさせられる。
一通りの運転支援装置は付くが、そもそも2015年デビューの10年選手のクルマであるので多くは期待できないだろうし、今時のクルマには大概付いている360°モニターもないので、運転が嫌いな人には多分向かない。と言うか、売る側も相手にしていないだろう。

色んな意味で先週乗ったテスラの対極にいるクルマだが、僕がどちらを好むかと言えば、当然こっちである。

マセラティと共同で一から開発したという後輪駆動シャシー、カーボン製プロペラシャフト、510psのモンスターエンジンを積んだクワドリフォリオの存在などなど、このクルマには古いクルマ好きを唸らせるロマンがあると思う。

満足している点

1. ただただカッコいい内外装。特に赤い内装がステキ。
2. ドライバーの意思に忠実なパワートレイン、ハンドリング。
3. 良く効き、コントロール性の良いブレーキ。
4. 意外と乗り心地が良い。

不満な点

1. ブレーキオートホールドがない。
2. 360°モニターがない。
3. 純ガソリンエンジンなので、多分燃費はそれなり。
4. FRセダンなので仕方がないが、荷室はそれほど広くない。
5. 前後でタイヤサイズが違うので、タイヤ交換にお金がかかりそう。

とはいえ、試乗したらこんな不満点なんてどうでも良くなった。

デザイン

5

外装は☆５つ。

2015年デビューなので、もう10年前のデザインなのだが、いかにも後輪駆動らしいロングノーズ、ショートオーバーハングのボディは文句なくカッコいい。カッコいいだけでなく、フェンダーの稜線が運転席から良く確認できるので、車幅感覚も掴みやすい。

内装は☆４つ。

赤い内装色が目を引くが、ヴェローチェはレザー張りのダッシュボードになり、ステアリングの手触りを含め非常に質感が高い。パドルシフトもアルミ製でヤル気にさせられる。

なお、2023年の仕様変更でメータが液晶に変更されたが、赤内装についてはシートのみとなり、インパネは黒一色になったそう。（変更前はインパネ下半分も赤）


ペダル配置に特に不満はない。タイトなフロントシートと相まってバチっとポジションが決まるのは気分が良い。

走行性能

5

試乗したヴェローチェは2L直列４気筒ターボエンジンを搭載、280ps/400Nmを発揮する。2Lエンジンとしてはかなりのハイチューンである。名機と言われるZF製８段AT（8HP）を介して後輪を駆動する。


アクセルレスポンスが速いのが特徴で、速く走りたいときも、ゆっくり走りたいときもドライバーの操作に忠実に反応してくれるのが良いと思う。

また、ステアリングがとてもクイックで、車線変更は手首をひねるだけでできてしまうのだが、基本的にステアリングに緩みがないので、まっすぐ走らせるのも苦にならない。

ヴェローチェにはブレンボ製４ポッドキャリパーがフロントに奢られており、かなり強力に効くが、ブレーキペダルを緩めたときのコントロール性が良く、カックンブレーキにならないところが良い。

乗り心地

4

このクルマで一番驚いたのは、ロードスターみたいに俊敏に走るのに、乗り心地が良いところである。
環七も結構路面が荒れているが、鋭いショックも素早く吸収してくれる印象。ロードノイズも思いのほか小さく、なかなか快適。


タイヤはピレリP-ZEROで、後輪駆動のクルマらしく前後異サイズとなり、フロントが225/40R19 89Y、リアが255/35R19 91Yとなる。しかもランフラットタイヤなのだ。それでこれだけ乗り心地が良いのなら、立派としか言いようがない。

それにしても、ホイールがまたカッコいいわ。

積載性

3

荷室容量は480Lだそう。
３シリーズ、Cクラス辺りと互角だが、家族そろって長距離旅行するのであれば、ステルヴィオの方が良いかも。

燃費

-

試乗につき不明だが、恐らく今乗っている自家用車（ボルボV60CC）とさほど変わらないと思われる。

価格

3

2025年現在でのヴェローチェの価格は725万円。
ほぼ３シリーズ、Cクラスとオーバーラップする価格だが、この中ではこれが一番運転が楽しいと思うし、３シリーズやCクラスを差し置いてジュリアを買う理由はそこしかない。

故障経験

試乗車につき、割愛。