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東京モーターショー2019

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トヨタ ブース

新型車をまったく置いていないトヨタ・ブース。シェアリング時代を先取りする?

クルマを所有することが趣味人だけの行為になる時代、自動車メーカーが生き残る術とは

東京モーターショー2019が開幕した。各社、CASE(コネクテッド・オートノマス・シェアリング・エレクトリック)と総称されるテクノロジートレンドを追いかけた展示をしている。とくに今年の東京モーターショーではCASEの中でも「E(電動化)」に対応しているメーカーが多いという印象だ。

しかし、トヨタ自動車だけは違う。10月23日のプレスカンファレンスで同社の豊田章男社長は『今回、このブースには来年発売されるクルマは1つもありません』と宣言したのだ。

モーターショーといえば、基本的には製品プロモーションの場というのがこれまでの認識だが、そうした常識を打ち破るのがトヨタ流。プレスカンファレンスでは、Vtuberのモリゾウとの掛け合いによりマイルドに表現していたが、豊田章男社長の目にはシェアリング時代に向けて、トヨタというブランドをどのようにして生き残らせるかという大きなテーマが見えているように思える。

トヨタがサバイブせんとする未来の自動車社会を理解するキーワードは「人と心を通じ合うAI」、「人間同士がつながるヒューマンコネクティッド」といえる。これまでクルマの評価というのはハンドリングや乗り心地、加速性能といったハードウェアが中心だった。もちろん、欠点があってもマインドを刺激するようなクルマも愛されてきたが、それでも機械部分の評価といえる。

おそらくトヨタが考えている、同社が生き残り、より存在感を強める未来のクルマ社会では、ハードウェアとは違う部分でクルマが「愛車にふさわしいか、否か」と評価される時代になっているのであろう。一人ひとりに最適化されたAI、人肌を感じさせるブランドストーリーといった要素が重要になってくるといえる。

豊田章男社長はプレスカンファレンスにおいて、移動するためのモビリティはすべてシェアリングになり、クルマを所有するというのは趣味人だけの行為となる可能性にも言及している。そして、所有されるのはスポーツカーだけになるとも予想している。

そうした未来像を、馬車(シェアリングモビリティ)と競争馬(スポーツカー)にたとえた。ここから想像すれば、公道を走るのはすべてシェアリングモビリティとなり、スポーツカーは限定された場所でのみ楽しめる存在になるということを示唆しているといえる。

余談だが、スポーツカーというのはサーキットを走るクルマだけを指しているわけではないだろう。モータースポーツの中にはラリーやラリーレイド、トライアルのように悪路を走る競技もある。また、実際にクルマを走らせないe-スポーツによるドライビングの楽しみ方というのもこれから増えてくるはずだ。

いずれにしても、自動運転のシェアリングモビリティによって移動を行なう時代になることが予想されている。そうした時代において、各ブランドは、どのように評価されれば生き残ることができるのか。2019年の東京モーターショーは、そうした未来について各社の将来を予想し、思いを感じ取る初めてのショーになっているのかもしれない。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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