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東京モーターショー2019

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コラム 東京モーターショー2019、南展示棟4階の謎のブース 「日本スーパーカー協会」とは

大手自動車メーカーであるマツダとほぼ同じ1200平方メートルもの広大なブースに並んでいるのは、多数のスーパーカーおよび超高級サルーン。そして看板には「一般社団法人日本スーパーカー協会」という、失礼ながらまったく聞いたことのない団体名が記されている。

……いったいここは何で、あなたは誰なんだ? との強烈な疑問を覚えた筆者は、ブースの主にモロモロを直撃取材した。

「私利私欲のためでなく、言わば『ニッポンの国力向上のため』に私は当協会を立ち上げ、そして今回の東京モーターショー2019に参加させていただいたんです!」

そう語るのは、ブースの主であり一般社団法人日本スーパーカー協会代表理事の須山泰宏さん。……「ニッポンの国力向上」とスーパーカーに、そして東京モーターショー2019に、いったい何の関係が?

「日本というのは結局のところ『自動車産業の国』であると、私は考えています。しかしながら今、少子化や、そもそも子供たちが車に興味を持っていないということから、その産業は縮小方向にある。それを放置しておけば、私が愛するニッポンの自動車産業や自動車カルチャーは衰退の一途をたどります。それを、私は何とか食い止めたい! と考えたのです。

人間は子供の頃や若い頃に見たもの、好きだった事柄の影響を長らく受けるものです。小さい頃におばあちゃんと一緒にテレビで大相撲を観ていた人は、大人になってもお相撲さんのことをそれなりに知ってますよね?

そういった感じで私はとにかく子供たちに、車に興味を持ってもらいたい。触れてもらいたい。そして大きくなったら自分で車を購入し、楽しんでもらいたい。さらに願わくば、私も大好きなスーパーカーを買ってくれたなら……日本の国力や経済力、そして自動車カルチャーの質が上がっていくじゃないですか? そういった道筋に、私は微力ながら貢献したいんですよ!」

……なるほど。最初は正直「どこかのお金持ちが道楽でやってる団体なのかな?」かと思っていたが、そうではなく、この人は「憂国の士」なのだ。我が国の自動車産業および自動車文化発展のために殉ずる覚悟で、マツダのブースと同じぐらい広大なブースを借り切ったのだ!

「まあ『殉ずる覚悟』かどうかはさておき(笑)、本業の傍らにこの活動をやるのは大変ですよ。丸3日ぐらい寝る時間が取れない時期もザラですからね……」

聞けば代表理事を務める須山さんの本業は、横浜市内にある不動産管理会社の経営者。とはいえ「経営者といっても小さな会社ですから、管理している物件の住人が退去した際には、社長である私が自分で壁紙を替えたりトイレを掃除したりするような会社ですよ。ゴージャスでイケイケな部分はまったくありません(笑)」と笑う。

そのあたりの日常的にやっている業務の経験を生かし、今回のブースの飾り付けなども自分の手で行ったそうだ。「まぁコストもかけられないですからね……」

基本的には「自動車メーカーの新作発表の場」である東京モーターショーに、自動車メーカーとは何ら関係ない団体が車両を出展するのは異例のこと。出展のために行った1年がかりの交渉は難航をきわめ、出展のハードルはおそろしいほど高かったという。

「しかし自工会(東京モーターショーを主催する一般社団法人日本自動車工業会)さんも「若い自動車ファンを増やさなければ未来はない!」という考えは私どもと一緒ですので、最終的にはGOサインをいただけました。ありがたいお話です」

大手自動車メーカーと同じぐらいの面積を東京モーターショーで確保するための具体的な「出展費用」は須山さんから教えてもらえなかったが、当然ながらけっこうな大金である。ある程度は「協賛」によってまかなえる見通しだが、不足分は「持ち出し」になるという。

「でもそれでいいんですよ! とにかく子供たちや若い人たちにスーパーカーを見てもらって、そして車を好きになってもらえるならば、私どもとしてはそれ以上の歓びはありません」

国士の目でそう語る須山さんだが、悩みもあるという。

「東京モーターショー2019には、規約の関係でノーマル車しか出展することができないんです。そのため今回、モディファイを施しているスーパーカーの出展は断腸の思いでお断りせざるを得ませんでした。しかしスーパーカーには、特に『ニッポンのスーパーカー』には、オリジナリティあふれるモディファイも付き物なんです。……今回は泣く泣くお断りしたカスタム系スーパーカーですが、将来的にはフルノーマル系とカスタム系とが同時に展示されるのが理想ですね」

そのあたりはなかなか難しい問題だが、いずれにせよ南展示棟の4階で異彩を放っている「日本スーパーカー協会」の広大なブースは、今回のモーターショーにおける「必見ブース」の一つであると筆者には感じられた。

小さなお子さんといらっしゃる予定の人も、単身で来るつもりの人も……ぜひ!

(ジャーナリストコラム 文:伊達軍曹)
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伊達軍曹(だて ぐんそう):自動車コラムニスト
外資系消費財メーカー勤務を経て自動車メディア業界に転身。「IMPORTカーセンサー」編集デスクなどを歴任後、独自の着眼点から自動車にまつわるあれこれを論じる異色コラムニストとして、大手メディア多数で活動中。

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