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東京モーターショー2019

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コラム 東京モーターショーに感じるお台場祭り感。メーカーは何を伝えるべきか?

第46回東京モーターショーが、9月23日にまずはプレスデーからスタートした。2010年にドイツへ渡り、昨年夏に帰国した私にとっては、2009年以来10年ぶりの東京モーターショーだ。

2009年のショーは、前年のリーマンショックの影響で海外メーカーの多くが参加を見送った。あの時はまだ会場が幕張メッセで、巨大な展示ホールがスカスカだったことをよく憶えている。当時はモーターショーがそんな事態に陥るなんて全く予想出来ず、状況を上手く飲み込めない自分がいた。

翌年春に日本を離れ、その後は世界中の国際モーターショーを取材した。フランクフルト、パリ、ジュネーブ、デトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、北京、上海といった、世界の主要なモーターショー以外にも、ハノーファー(商用車)やミラノ(二輪)などにも足を運び、世界の自動車業界とモーターショーの流れを追い続けてきた。

そして今回、10年ぶりに足を運んだ東京モーターショーは、世界に名だたる自動車メーカーをいくつも擁する、アメリカやドイツと並ぶ自動車大国日本で開催されるモーターショーとしては、私の目にはやや奇異に感じるものだった。ここ数年は欧米のモーターショーでも参加を見送るメーカーが増え始め、昨秋のパリやこの9月に開催されたフランクフルトは、今回の東京モーターショーと同様に、海外メーカーがほとんど参加していなかった。むしろ海外メーカー不在のショーという点では、東京が先鞭をつけたといってもいい。

ただ、海外メーカーがいない点を奇異に感じたのではない。クルマの魅力やモビリティの未来を伝えるイベントというよりも、「お台場クルマ祭り」的な雰囲気が強すぎるように思えたのである。

もちろん、今回の東京モーターショーは、来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けた準備の影響で、東京ビッグサイトに十分な展示スペースが用意できず、開場が2カ所に分断されてしまい、そのネガをなんとか克服して来場者を呼び込もうと様々なアイデアが盛り込まれたことはよく解る。

だがそれはイベントの運営側がやれば良いことであって、参加メーカーまでその流れに乗る必要はない。自社の展示ブースに市販モデルを1台も置いていないメーカーがあった事には、正直驚いた。こんな状況は海外ショーでは見たことがない。「遊びに来て!」と言うのも悪くはないが、自動車メーカーは、なにはさておきクルマの魅力を伝えるのが先決ではないだろうか。古い考え方と思うかもしれないが、クルマを見たくて足を運ぶ人に満足してもらう事は大事だと思う。モーターショーなのだから。

とはいえ、屋外に設けられた気軽に参加出来る最新モビリティ体験コーナーや、自動車メーカーの仕事を子供が疑似体験できるキッザニアの設置などの試みは、リアルイベントとしてのモーターショーの新しい形として大いにポジティブなことだと思っている。自動車や自動車産業、次世代モビリティなどに興味を持つきっかけになるだろう。

最大の問題点は、2つの会場を結ぶシャトルバスだ。23日は限られたメディア関係者しかいなかったにもかかわらず、お昼頃には30分待ちだった。一般公開されて毎日何万人もの来場者が集まれば、移動手段として機能しなくなるかもしれない。MaaSとかCASEとか言う前に、目の前の近距離輸送をなんとかする必要がありそうだ。

(ジャーナリストコラム 文:竹花寿実)
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竹花寿実(たけはな としみ):モータージャーナリスト
自動車情報ウェブサイトの編集者を経て2010年に渡独。8年にわたりドイツ車とドイツの自動車業界を中心に取材し、国内外のメディアに寄稿。2018年7月に帰国し、独自の視点でクルマとその周辺に関して発信している。

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