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東京オートサロン2019

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2019.8.01

迷走する東京モーターショー クルマ離れが加速?! 本当に主催者がすべきことは

もくじ

ー コンセプトの言葉、クルマ離れ進行の印象
ー 初連携のオートサロンから学ぶことは何か?
ー オートサロン、来場/出展者の一体感
ー 来場者を増やすために主催者がやるべきこと

コンセプトの言葉、クルマ離れ進行の印象

7月30日に主催者である日本自動車工業会から第46回東京モーターショーの開催概要が発表された。

トヨタや日産などのメーカーブースの概要はもちろんまだ明らかにはされていないが、東京モーターショー全体のコンセプトは、明らかに「クルマ離れ」が進んでいる。

東京モーターショーは誰のためのイベントなのか? 来場者を増やすためにホントにやるべきことは何か?

開催概要によると、今回のTMSは「OPEN FUTURE」をテーマに業界を超えた「オールインダストリー」で「クルマ・バイクのワクワクドキドキ」から「未来の暮らし」「未来の街」まで領域を広げ、来場者に「未来のモビリティ社会」を見せてくれるという。

この「オールインダストリー」という言葉は昨日の発表から初めて使われた言葉で、それまでは「オールジャパン」だった(はず)。筆者が6月に自工会へ取材をした際の回答にも「オールジャパンで盛り上げていきたい」ということだった。

オールインダストリーとは、自動車業界に限らず、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会(NTT-パナソニック/NEC/富士通他)、経済産業省、NEDOなど様々な産業(industry)が含まれる。

様々な産業と手を取り合って、「近未来」が体験できるような出展を予定しているそうだ。

「オールインダストリー」は、意味としては「オールジャパン」に近いものがあるのだろうが、ジャパン→インダストリーに変わったことで、また少し「クルマ離れ」が進んだ印象である。

初連携のオートサロンから学ぶことは何か?

今回の開催概要では東京オートサロンとの初連携も発表された。

年々、来場者が減っているTMSに対して、東京オートサロンは年々来場者を増やしており、2019年のオートサロンは1日あたりの平均来場者数が11万人を突破して過去最高を記録した。

入場料も2019年のオートサロンは前売り2000円(大人)、当日は2500円(大人)、1800円(中高生)と今年から高校生以下無料(前回までは中学生以下無料)となるTMSに比べると強気の料金設定である。

また、プレス対応もかなり違っており、開催期間中の駐車場無料、通期入場パス、プレスデー2日間の朝食や昼食、カメラサービスや宅配便無料などのおもてなし感いっぱいのTMSに対して、オートサロンは駐車場有料で食事やカメラサービスも無し。3日間、毎日プレスパスを更新するなど面倒だ。

しかし、それでも世界中から訪れるプレス関係者は増え続けている。

2つの車イベントで最も大きな違いは何だろうか?

それは、オートサロンは車好きが企画する車好きのためのイベントだということ。すごくざっくりというと、オートサロンとモーターショーでは、「趣味」と「仕事」位の違いがある。クルマ好きに支持され、行って楽しいのはどちらか? は明白だろう。

SNSでの「いいね!」の数から、来場者用駐車場での車の停め方に至るまで様々なシーンで違いがわかる。

オートサロン、来場/出展者の一体感

facebookの「いいね!」数を比較してみた。(2019年7月31日現在)

東京モーターショーへのいいね!は8322人。
東京オートサロンへのいいね!は2万6368人。

クルマ好きの心がわかるオートサロンには、車と関係ない出展はほぼゼロ。未来のモビリティなども(多少はあるかもしれないが)ほぼ無縁だ。1980年代、90年代の車をベースとしたカスタムカーも多数出展されているが、毎回斬新で、毎回多くのクルマ好きの心をとらえて楽しませている。

また、筆者が「クルマ好きの気持ちをよくわかっている!」と感じるのは駐車場での配慮だ。

オートサロンに車で行ったことがある人なら記憶にあると思うが、会場である幕張メッセの駐車場に車を止める際、「白線は気にせず、隣の車との間を十分空けて止めてください」とアナウンスされる。

これはどういうことか?

クルマ好きは皆、自分の車を大事に扱う。それは他者の車に対しても同様だ。

オートサロンに来るクルマは2ドア車が多く、ドアを開けて乗降するは広いスペースが必要となる。

もちろん、駐車場でのトラブルを防ぐ目的もあるだろうが、2ドア車オーナーにしてみれば、「隣との間を十分あけて停めてください」なんて言われたら嬉しくなる。TMSの駐車場ではそんなアナウンスはもちろんない。

来場者を増やすために主催者がやるべきこと

今回初めてTMSの会場となるメガウェブ(青海エリア)には入場料無料の「FUTURE EXPO」が設置される。顔認証システムや無人コンビニ、歩行ロボットなど車とはほぼ関係のない出展をはじめ、完全自動運転車両、燃料電池車両など未来の車の展示も予定されている。

このエリアは入場無料で、チケットなしで観覧できる。来場者77万人(前回実績)を死守しつつ、来場者を増やすために車にあまり興味がない人や、未来を感じてもらいたい若い人たちに足を運んでもらえる出展を目指しているとのことだ。

ところで来場者を増やすための企画として、新規来場者にばかり目を向けているのはなぜだろうか?

かつてモーターショーに足を運んでいた人たちが再び足を運びたくなる企画は考えていないのだろうか。

モーターショーで見たい「夢」は、何も未来の絵空事に限らない。参考出品を重ねた後に市販化され大ヒットとなった車のコンセプトカーや、急速な勢いでモータリゼーションが進んだ1960年代、70年代のモーターショーを彩った車、200万人規模の来場者でにぎわったバブル時代の車など、モーターショーでしか見られない車が一堂に会することもクルマ好きにとっては「夢」のような体験になるだろう。

親子孫の3世代で足を運べば、懐かしい車、昭和時代に家族で乗っていた車を懐かしんで会話も弾むだろう。車好きの思いや世界に誇る日本車の文化を世代間で共有できる素晴らしい経験になるかもしれない。過去があってこその未来だ。

今回の発表ではトヨタや日産など完成車メーカーの展示内容については触れていなかったので、青海展示棟やビッグサイト西・南展示棟などの様子はわからない。

お金を払って入場する従来の展示ブースには、クルマ好きの心に沿った国産自動車メーカーの誇りと良心が残っていることを強く期待したい。

(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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