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東京オートサロン2014

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ニューモデル
2019.2.08

国内試乗 ホンダ・インサイト コスパの高い3代目

もくじ

どんなクルマ?
ー 3代目となるインサイト
ー バランスのとれたパワートレイン

どんな感じ?
ー 落ち着いたハンドリング
ー 違和感のない制御

「買い」か?
ー 高コスパなお買い得車

どんなクルマ?

3代目となるインサイト

初代は燃費のレコードブレーカー的、2代目は先進エコカーの普及促進、そして3代目となる新型は。平たくいうなら北米向けシビックセダンのハイブリッド仕様である。歴代モデルと比較すればコンセプトの先鋭性が失われた感は否めないが、ポストファミリーをターゲットにセダンの復権という点では注目すべきモデルとなった。

全長×全幅は4675mm×1820mm。込み入った都市部で困るほどのサイズではなく、かといって合理性に傾き過ぎずにゆとりも感じさせる。

深く前傾したリアピラーもあって外観は2名乗車を基本にしつつ後席のゲストも配慮したキャビンデザイン。大人4名でプライベートタイムを過ごすにもおかしくない雰囲気を漂わせるスタイルである。

パワートレーンはハイブリッドのみの設定だが、現状ではインサイト専用設定のシステムである。シリーズ式ハイブリッドをベースに高速巡航専用のエンジン直動機構を備えるi-MMDはオデッセイやステップワゴンにも採用されているが、これらは2ℓエンジンをベースにしている。

バランスのとれたパワートレイン

インサイト用はクラリティPHEVと同型の1.5ℓエンジンをベースとしている。もちろん、電動モーターや駆動用バッテリーは異なり、ホンダ・ハイブリッドシステムでは省燃費性能とコストのバランスをリードする最新パワートレインである。

ちなみにインサイトの電動モーターは96kW、駆動用バッテリー容量は1.1kWh。これに対してオデッセイとステップワゴンはモーターが135kW、バッテリーが1.3kWh。エンジン排気量同様に電動系もダウンサイジングされている。かなりの差があるようにも見えるが、モーター出力を基準としたパワーウェイトレシオでは約4%程度の違いである。

軽量とダウンサイジング志向のi-MMDの組み合わせでカタログ燃費はクラリティPHEV対比でJC08モード燃費がプラス12%の31.4km/ℓ、WLTC総合モードでプラス6%の25.6km/ℓ(ともにEX系)を達成。i-MMD車では最も燃費に優れたモデルとなった。

ハイブリッドありきではあるが「今さらセダン?」と短絡するほど内容の浅いモデルではない。長く付き合えるクルマを求めるポストファミリーは注目の一車だ。

どんな感じ?

落ち着いたハンドリング

最近のホンダ車に共通する長所がフットワークの質感。操縦感覚にも乗り心地も重質さと据わりが備わり、同格モデルでも新旧で車格が1クラスくらい上がった印象を受ける。インサイトの場合、車格もボディタイプも異なるので新旧比較は無意味だが、全長4.7m未満のセダン全般で見ても良質と言えよう。

試乗モデルは215/50R17を履くEX。バネ下の重さやホイール周りの振動が多少目立ったのは装着タイヤの影響だが、サスストローク速度を抑えつつ沈み込み感があり、揺れ返しの少ないどっしりとした味わいが車重やサイズ以上の落ち着きをもたらしている。先代とはサスストロークの考え方が対照的と思えるほどの違いを感じられる。

ハンドリングに付いては賛否が分かれそうだ。切れ味や軽快感を求めるドライバーなら鈍重と捉えるかもしれない。後輪を軸に前輪を押し付けるように回り込む。車体方向の変化は過不足なく、急激な姿勢変化による揺れ返しはない。

加減速や路面のうねりに対する車体方向の乱れも少なく、修正操舵も極めて少ない。操保舵力は重めの設定で過剰な変化は抑えられている。据わりのいい操舵感も安定とコントロール性の両面で効果的である。乗りこなす醍醐味は薄いが、高速ツアラーと呼ぶに相応しい操縦性である。

これだけでも価格に十分な魅力だ。そこにハイブリッドのパワーと燃費が加わる。エンジンも電動モーターもダウンサイジングして大丈夫か? 心配は無用、それこそ杞憂というものだ。

違和感のない制御

シリーズ式はエンジンで発電した電力を基に電動モーターで走行するが、実際は駆動用バッテリーと二人三脚。急加速ではエンジン発電の応答遅れをバッテリーからの電力供給で賄うので実質的なドライバビリティは電気自動車と変わらない。

従ってペダル操作に即応して加減速する。程よく穏やかにしているのが勘所というやつで、力強さを感じさせながらも身構えさせるような神経質さもない。重質な乗り味に似合いのドライブフィールだ。

i-MMDの特徴となるエンジン直動機構は70km/h以上で稼働する。計算値の100km/h巡航時回転数は2300rpm弱であり、70km/h時は約1600rpm。省燃費に振った1.5ℓでは余裕がなく、直動機構の本領は90km/hくらいから上の速度域。ただし、エネルギーフローモニターを見ていないと確認できないほど直動機構の作動解放はスムーズである。

急加速では直動を解除してエンジン回転数を上げて電動走行に移行するが、巡航中はエンジン回転数も含めて直動機構クラッチの作動を意識しない。また、直動機構作動中にも発電、あるいはバッテリーからの電力供給による電動アシストを行う。つまり、パラレル式ハイブリッドとして振る舞う。

かなり複雑な制御を行っているにも関わらず、制御状態や過渡域での違和感がない。いつも同じような感覚で運転できてしまう。そこi-MMDの最新モデルらしい部分であり、ゆとりある大人のセダンを感じさせてくれた。

「買い」か?

高コスパなお買い得車

ベーシックグレードとなるLXは約326万円である。BSMは設定されないが、ホンダセンシングなどの安全&運転支援装備も充実している。約24万円高のEXはBSMや前席パワーシートも標準装着。内装の樹脂部品の質感が少々安っぽいものの、車格やスペック、装備などカタログデータだけで検討しても買い得感はかなり高い。

ファストバック風のキャビンデザインだが、脚周りには余裕があり後席ヘッドルームもセダン標準。天井の圧迫感や見晴らしも外観から想像する以上。乗降時の脚捌きも頭抜けも悪くない。車格感を高める重質な乗り味に、高速ツーリングでの信頼感を高めるドライブフィール。乗って感じた評価を加えれば買い得感はさらに向上する。

あと30万円追加すればCR-Vのハイブリッド車も価格レンジに入ってくる。SUVの人気を考えればインサイトを積極的に勧めるのは気が引ける。ただ、走りの質感やバランスのよさはCR-Vを上回り、燃費も含めた経済性の高さはセダン系ではプリウスに次ぐレベル。

一般論としては「今さらセダン」であっても、セダンこそが乗用車の基本型であり、質感を含めたコスパにおいて最も効率的なことをインサイトに乗れば実感できるはずだ。

(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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