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東京オートサロン2014

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ニューモデル
2019.2.04

大予想 ジャガー・ランドローバーはどうなるのか? EV化/雇用/中国対策

もくじ

ー 悩ましい? XE/XFの後継モデル
ー さらにもうひとつのジレンマ
ー 従業員の解雇 中国市場への対応
ー 期待されるSUVファミリーの展開
ー 番外編:なぜ、JLRは全車を電動化しないのか?

悩ましい? XE/XFの後継モデル

ジャガー・ランドローバーの幹部たちは、ジャガーXEとXFの後継をどうするかについて決断を迫られている。両モデルとも英国における最近の販売台数は落ち着いており、昨年11月には電気自動車のIペースにも抜かれた。

波乱に満ちた2018年の後、同社はどのように再編と安定化を成し遂げようとしているか。それは将来に向けた製品計画を見れば明らかだ。

フェイスリフトを施したXEとXFが数カ月以内に発売になる一方で、同社の製品企画部は2023年初頭に予定されている後継モデルの発表に向けて戦略を練っている。

情報筋はJLRがこのプロジェクトを白紙から始めていると語っている。選択肢のひとつとしては、XEとXFをひとつのモデルの統合するというとAUTOCAR英国編集部は考えている。その新型車は電気自動車かあるいはプラグイン・ハイブリッドになるだろう、とも。

その間に、来年登場する新型XJは完全電気自動車になると見られている。ジャガーではこれが中国などの市場で、運転手付き高級車としてアピールすることを期待している。

JLRのラルフ・スペッツCEOは、現在のXE、XF、XJの販売不振によって同社がセダン市場から撤退せざるを得なくなることはないと語る。なぜなら「背が低い」クルマは2030年から施行が計画されているEUのCO2排出規制を遵守するには欠かせないからだと、最近プレスに語っている。

欧州委員会は先日、EU内で登録される新車の平均CO2排出量を、2021年まで有効な排出ガス制限と比べ、2025年に15%、2030年には37.5%減らさなくてはならないと宣言した。これは特に大きくて重いSUVを販売している会社にとって難問だ。

このタイムラインからJLRが直面する困難が明確になる。2023年に登場するプラグイン・ハイブリッドのXE/XFと新型XJは、2025年の規制値をクリアするのに十分だろうか?

そして、さらにもうひとつのジレンマがあることもわかっている。

さらにもうひとつのジレンマ

将来、プレミアムEVの普及が進んだとき、それは依然として少数派の選択となるのか。また、政府の補助金への依存は残るのかということだ。

昨年、JLRの戦略担当重役であるハンノ・キルナーは、同社の将来的な電動化戦略を説明するセミナーを開いた。

彼は新開発のMLAアルミニウム・プラットフォームは、内燃エンジン、マイルド・ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、完全電気自動車のいずれにも対応できると明らかにした。2025年までにJLRの量産モデルは全てMLAアーキテクチャがベースになる。

キルナーのプレゼンテーションではまた、JLRがEVインフラによって抱えるさらなるジレンマも強調された。

ある調査によると、43%の潜在顧客はEVが化石燃料のクルマと同じくらい簡単に満充電できるようになることを期待していると彼は指摘。ディスカバリーの70ℓ入り燃料タンクは2分で満タンにでき、それで「800km以上」走ることができる。

JLRは世界の大都市がEVの普及に率先して取り組むことを期待しているが、顧客の意識は欧州、米国、アジアで大きく異なる。そのため、5年後に販売するグローバル・モデルの計画を立てることが難しい。

キルナーはJLRが将来、最低地上高が中くらいのモデル(おそらく噂のロードローバー・シリーズだと思われる)や、航続距離を伸ばすためにさらに重要となる空力的な効率を向上させる前面投影面積が小さなクルマを、いくつか発売しようと計画していると明かした。

このプレゼンテーションでは将来のIペースのためのプラットフォームが、最終的にFタイプの後継となるスポーツ・モデルと共有されることをほのめかした。そのクルマはIタイプと呼ばれる可能性が高い。

ジャガーの未来に関する大きな決定は2019年内に下されるだろうが、JLRの経営陣にはさらに差し迫った重大な仕事がある。

従業員の解雇 中国市場への対応

従業員や労働組合との交渉で4500人の解雇が計画されているだけでなく、JLRの幹部は中国における販売の下落に緊急に対処しなければならない。

特に3台のジャガー・サルーン全て、SUVのFペース、そしてランドローバー・ディスカバリーとディスカバリー・スポーツを含む重要なモデルが伸び悩んでいるのだ。

しかし、スペッツと彼のチームはこれらの問題に熱心に取り組んでいるところだ。新型イヴォークが発売になるとともに、XEとXFのフェイスリフトが行われ、ディスカバリー・スポーツも大きな設計変更を受ける。ディスカバリー・スポーツは特に販売不振による打撃を受けている。新型ディフェンダーも発表になる予定だ。

ディーゼルの販売が落ち込み続けているJLRにとって、刺激となる可能性があるのは2台のジャガー・サルーンと2台の小型ランドローバーだ。2019年にこれらのモデルには待望のハイブリッド・パワートレインが様々な仕様で搭載される。

イヴォーク(ジャガー・サルーンのアルミ製とは異なるプラットフォームをベースにする)には2種類のハイブリッドが用意される。48Vベルトドライブの電動モーターがエンジンをアシストするマイルド・ハイブリッドに加え、3気筒エンジンを組み合わせたプラグイン・ハイブリッドは、バッテリーをフロア下に搭載し、電気モーターがリア・アクスルを駆動する。これは街中では電気のみで走ることができ、オフロード走破性を高める役割も果たすだろう。

ガソリンのマイルド・ハイブリッドを搭載するイヴォークの前輪駆動モデルは、新しいWLTPの試験法で17.7km/ℓの燃費が見込まれている。ディーゼル・バージョンはさらにもう少し良くなるだろう。JLRによれば、プラグイン・ハイブリッド・モデルのCO2排出量は140g/mを下回るという。

JLRは既に新型車に搭載するバッテリー・パックをバーミンガム近郊のハムス・ホールで製造すると発表している。電動ユニットはウルヴァーハンプトンにあるジャガーのエンジン工場で製造される。

このテクノロジーはフェイスリフトを受けるディスカバリー・スポーツにも採用される。

期待されるSUVファミリーの展開

先述のテクノロジーにより、同車とイヴォークは市場で大幅な販売増加が見込まれる。2018年1月から11月の間に、イヴォークの販売は33%、ディスカバリー・スポーツは23%落ち込んだ。

2019年内にイヴォークの販売は完全に回復し、ディスカバリー・スポーツは不調から立ち直れるはずだが、ランドローバーが抱える最大の問題はフラッグシップであるディスカバリーの販売が減少しつつあることだ。

確かに、2018年8月から11月の間に、7人乗りディスカバリーの売り上げは30%減少した。この年の11月までに販売されたディスカバリーは3万9844台。これはレンジローバー・スポーツ(7万243台)、ヴェラール(6万1036台)そしてフラッグシップのレンジローバー(4万8811台)を下回る。

生産がスロバキアの新工場に移ったことに対する反動はあるかもしれない。だが、スタイリングについても依然として意見がわかれている。

ランドローバーは新型ディフェンダーで大幅なイメージの向上を図る(プレミアムな価格でおそらくスロバキア製となるにもかかわらず)だけでなく、3台のうち2台のショールームにおける大きな問題は12カ月以内に解決される見込みだ。

ジャガーもまた、XEとXFのフェイスリフトによって2018年の悲劇を解決できる可能性がある。両モデルにはいくつかのハイブリッド・パワートレインが用意され、少なくともそのひとつには1.5ℓの3気筒エンジンが使われる。ガソリンのマイルド・ハイブリッド・ドライブトレインによってXEとXFは間違いなく欧州の顧客をこれまで以上に惹き付けるはずだ。

だが長期的に見ると、Fペースの販売低下が懸念される。2018年11月までの4カ月、同車の販売は前年同期比31%も減少しているのだ。

番外編:なぜ、JLRは全車を電動化しないのか?

JLRの戦略担当者は、銀行のアナリストに向けた昨年のプレゼンテーションで、EVに対する慎重な姿勢を見せた。同社自身による見積もりによると、2025年までに新車販売の20%が電動化されるという。BMWとフォルクスワーゲンは15~25%と予測している。ブルームバーグとバンク・オブ・アメリカはそれぞれ26%と24%とみている。アライアンス・バーンスタインのアナリストは、それが「急速に普及」した場合は2030年までに57%、低い場合は19%と予測する。

要するに、確かなことは誰にもわからないということだ。たから、テスラが一般大衆にとって自社のクルマが依然として高すぎること、収益が低すぎることを認め、4万5000人の従業員のうち3000人を解雇するのを見ても、自動車業界のプランナーは誰も過敏に反応したりしない。

テスラのイーロン・マスクCEOが取った対策は、より大衆向けで低価格のモデル3を世界に向けて販売することだけだ。

これは今日における「EV革命」の進行具合を上手く表していると言えるだろう。EVは裕福な環境主義者向けの高価でニッチなクルマであり続けるだろうか? あるいは、例えばVWの大いに野心的なIDシリーズは本当にEVの主流製品になるだろうか?

このように不透明な現状を見れば、BMWやジャガーがEVだけでなく内燃エンジンやプラグイン・ハイブリッドにも対応した新しいアーキテクチャを発表したことも納得できる。

テスラの高い市場評価額と政府の予想をメディアが大々的に報道しているにも関わらず、EVの将来について我々にわかることは、今ようやく多くのドライバーがEVについて調べ始めたということだけである。

(ヒルトン・ホロウェイ)

(AUTOCAR JAPAN 編集部)

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