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パリモーターショー2014

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ニューモデル
2019.11.15

新型アウディ Q3 スポーツバック 初試乗。3グレードを乗り比べた大谷達也の印象とは?

Audi Q3 Sportback

アウディ Q3 スポーツバック

トレンドのクーペスタイルSUVの最新型

きりっとした凛々しいたたずまいである。

アウディ Q3 スポーツバックは、同社のコンパクトSUVであるQ3をクーペスタイルに改めたニューモデルだ。ドイツ本国ではひとあし先にフルモデルチェンジを済ませた2代目Q3をベースに、テールゲートを強く前傾させてスポーティなイメージを強調。ボディサイドでは、4輪の存在感を際立たせる“ブリスターフェンダー”を採用し、優しくエレガントな表情を見せる新型Q3に対してより力強く筋肉質なデザインに仕上げられた。

この結果、Q3 スポーツバックのほうがより低く、そしてより長く見えるが、新型Q3との差は全長が16mm長く、全高は29mm低いだけという。ちなみに、これまでアウディでスポーツバックといえば2ボックス・ハッチバックか5ドア クーペのことを指していたが、今後はSUVクーペもスポーツバックと呼ばれるようだ。

コクピット感覚を強めたインテリアデザインを採用

インテリアのデザインも一新された。基本的にはA6やQ8などと同じMMIタッチディスプレイを採用し、ダッシュボード上の大型タッチディスプレイから様々な機能をコントロールするインターフェイスに改められたのだが、Q3 スポーツバックではタッチディスプレイの位置が相対的に高いため、操作性は上級モデルよりもむしろ良好のように思えた。このディスプレイよりも低い位置に取り付けられたエアコンのコントロール類は独立したスイッチで操作する形となっているが、タッチディスプレイではブラインド操作が難しいことを考慮すれば、むしろ理にかなった判断といえる。

いずれにせよ、大型ディスプレイの採用によってフラッシュサーフェイス化が推し進められたほか、ダッシュボードがドライバーに向けてやや角度がつけられてコクピット感覚が強まった新しいインテリアは、今後のアウディ人気に拍車を掛けることになるかもしれない。

今回試乗したグレードは、1.5リッター直4ガソリンエンジンを積む「35 TFSI」、2.0リッター直4ガソリンエンジンの「45 TFSI クワトロ」、2.0リッター直4ディーゼルエンジンを搭載した「35 TDI クワトロ」の計3モデル。このうち35TFSIのみ前輪駆動で、ベルト駆動式スタータージェネレーターを用いた48V系マイルドハイブリッドを搭載する。一方、他の2グレードはハルデックス・カップリングを用いたフルタイム4WDでマイルドハイブリッドはなし。ギヤボックスは3台ともDCTの7速Sトロニックだった。

2種類のガソリンと1種類のディーゼルをラインナップ

最初にステアリングを握ったのは35 TFSI。150psと250Nmのパフォーマンスで大人4名乗車は決して楽な条件ではなく、そのせいか際立って力強いという印象は抱かなかった。ちなみにマイルドハイブリッド・システムにはブースト機能もあって、最大10秒間にわたって50Nmのトルクを追加できるものの、エンジンがもともと持つキャラクターと違和感が生じるのを防ぐためか、あくまでもそっと後押しする範囲に設定されていた。

ちなみに、この1.5リッターエンジンにはシリンダー・オン・デマンド(COD)と呼ばれる気筒休止機構が搭載されており、低負荷時には4気筒のうちの中央寄りの2気筒を休止させて燃費を改善するが、アウディのほかのCOD採用エンジン同様、気筒休止が働いているかどうかをトルク感や振動/騒音などでうかがい知ることはほぼ不可能。それだけ完成度の高いシステムといえる。

一方で高負荷・高回転の領域では軽くがさついた回転フィールが伴った。これは、振動、騒音、乗り心地(いわゆるNVH)といった面で常にライバルを上回る洗練度を実現してきたアウディにとってはやや意外ともいえる仕上がりである。

もうひとつ予想外だったのが、乗り心地の変化。路面からの衝撃を和らげつつ、どこか軽快で軽い浮遊感が伴ったアウディの典型的な乗り心地が見直され、どちらかといえば重厚でフラット感を強調した味付けとされたのだ。そのせいかどうか、タイヤ踏面の硬さがこれまでよりも明確に感じられ、まれにコツコツという振動を伝えることがあった。従来のスムーズでしなやかな足まわりから、スポーティさをより前面に押し出した足まわりに改められたといっていいだろう。

もっとも、こうした変化はQ3 スポーツバックというクルマのキャラクターを考慮した結果のようで、別途、短時間だけ試乗した新型Q3はアウディらしい洗練された乗り心地に仕上げられていた。ちなみに、先ごろ日本でも発表されたA1 スポーツバックもあわせて味見したところ、こちらはQ3 スポーツバックに近いスポーティなテイストだったので、今後アウディのコンパクトモデルは、従来どおりの快適で上質な味付けのものと、よりスポーティでダイナミックな方向性のふたとおりに分かれるのかもしれない。

やや硬めの足まわりはQ3 スポーツバックにきわめてシャープなハンドリングをもたらした。これまでも、かすかな操舵も見逃さずに的確に、そしてレスポンスよく反応するのがアウディの特色だったが、その傾向がさらに強まり、スポーツモデルと見紛うような俊敏さを手に入れたのである。しかもリヤのスタビリティが高いので不安感は皆無。安心してワインディングロードを駆け抜けることができた。

同様の傾向は、ディーゼルモデルの35 TDI クワトロやガソリンエンジンを積むトップパフォーマーの45 TFSI クワトロでも認められた。つまり、乗り心地とハンドリングのバランスが、これまでのアウディよりも少しだけスポーツ方向に振られていたのだ。ただし、こちらはより上級モデルとの設定からなのか、35TFSIに比べればしっとり感や上質さが強調されていた。長年のアウディ・ファンにしてみれば「ほっとする味付け」かもしれない。

エンジンの印象は、いずれも低回転域でもうちょっと力強さがあってもいいと思った。もっとも、この辺はヨーロッパで導入されている最新排ガス規制の影響もあるはず。同様の排ガス規制は日本には導入されていないこともあり、最近のアウディはヨーロッパ向けと日本向けでエンジンの仕様を微妙に変えているケースが増えている。私がこれまで試した範囲でいえばTTやQ8がこれに該当し、国際試乗会ではややトルク不足に感じられたモデルが、日本仕様では打って変わって活発に走ることに驚かされた経験があるQ3 スポーツバックの場合も、これと同じであることが強く期待される。

Q3 スポーツバックの日本導入は2020年中ごろとなる見通しだ。

REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)

【SPECIFICATIONS】

アウディ Q3 スポーツバック 35 TFSI

ボディサイズ:全長4500 全幅1843 全高1567mm

ホイールベース:2680mm

トレッド:前1584 後1576mm

車両重量:1460kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1498cc

ボア×ストローク:74.5×85.9mm

最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm

最大トルク:250Nm/1500-3500rpm

圧縮比:10.5

トランスミッション:7速DCT

駆動方式:FWD

サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後4リンク

タイヤサイズ:前後215/65R17

アウディ Q3 スポーツバック 45 TFSI クワトロ

ボディサイズ:全長4500 全幅1843 全高1567mm

ホイールベース:2680mm

トレッド:前1584 後1576mm

車両重量:1625kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1984cc

ボア×ストローク:82.5×92.8mm

最高出力:169kW(230ps)/5000-6200rpm

最大トルク:350Nm/1500-4300rpm

圧縮比:9.6

トランスミッション:7速DCT

駆動方式:AWD

サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後4リンク

タイヤサイズ:前後215/65R17

アウディ Q3 スポーツバック 35 TDI クワトロ

ボディサイズ:全長4500 全幅1843 全高1567mm

ホイールベース:2680mm

トレッド:前1584 後1576mm

車両重量:1635kg

エンジン:直列4気筒DOHC

総排気量:1968cc

ボア×ストローク:81.0×95.5mm

最高出力:110kW(150ps)/3500-4000rpm

最大トルク:340Nm/1750-3000rpm

圧縮比:16.2

トランスミッション:7速DCT

駆動方式:AWD

サスペンション形式:前マクファーソンストラット 後4リンク

タイヤサイズ:前後215/65R17

(GENROQ Web 大谷達也)

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