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パリモーターショー2014

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モーターショー
2019.9.21

フランクフルトショーが驚きの規模縮小! ドイツメーカーが苦悩する電気自動車の政治利用

 今回のフランクフルトショーは縮小開催ともいえる事態に

 今回のIAA(フランクフルトショー)では、日系ブランドではホンダのみの出展となった。ほかにもフレンチブランドも全滅(PSA系のドイツブランドであるオペル除く)、韓国系もヒュンダイブランドはブースを構えたが起亜ブランドはブースを構えなかった。いつもはひっそりとブースを構えていた、インドのマヒンドラ&マヒンドラ傘下の韓国サンヨンの姿もなかった。

 このような出展者の減少を受けて、使用する展示棟を前回より減らしても床が埋まらなかったのか、前回では軒並み2階などにブースを構えていた、サプライヤーが1階にブースを構えた。そのためサプライヤーブースのなかに完成車ブースがパラパラあるという感じの展示棟もあった。

 今回のフランクフルトショーの「縮小開催」とでもいうべき事態の原因は、何も日系ブランドなどの相次ぐ出展とりやめだけではなかった。いつもは地元開催ということもあり、グループ全体で1棟まるまる借り切るなど、かなりの物量で攻めて存在感を見せるメルセデス・ベンツやBMW、VW(フォルクスワーゲン)の各グループが、いずれも展示面積の縮小を行っていたのだ。

 ドイツ系ブランドの圧倒的な物量(展示面積や発表する新型車の数など)の前では、それ以外のブランドは自分たちがブースを構えて新型車を発表し展示しても、情報発信力が弱いとの声もあったし、ここのところのオートショー出展への「選択と集中」傾向が顕著となっていることもあり、ドイツ系以外のブランドの出展取りやめは理解できる部分もある。しかしドイツ系ブランドの縮小展示は意外であった。

 ドイツ系の動きの背景のひとつに、ここのところの欧州での自動車産業への風当たりの強さがあるだろう。数年前に起きた複数ブランドによるディーゼル不正問題で、まずディーゼルエンジンを見る目が厳しくなり、それがきっかけで環境保護団体を中心に自動車への風当たりが強くなってきているのである。

 メルケル政権には自動車産業と密接な関係アリ!?

 報道によると、フランクフルトショーのプレスデー初日には、会場前で環境保護団体のグリーンピースが、「SUVは地球環境に良くないため、販売やラインアップ強化をやめ、環境負荷低減に効果を発揮する、ピュアEVの低価格化やラインアップ強化をすべき」との抗議活動を行っていたとのこと。前回のフランクフルトショーでも、恐らくグリーンピースと思われる環境保護団体が会場前で抗議活動を行っていた。

 自動車への風当たりは、単に地球環境保護という崇高なものだけで行われていないのが事態をやっかいなものにしている。ドイツのメルケル政権は自動車産業と密接な関係があるとされ、敵対勢力が一連のディーゼル不正に端を発した自動車産業への風当たりを政局に利用しているとされており、これが自動車への風当たりの強さを助長しているともいわれている。

 ここからは私見となるが、自動車への風当たりが政局にまで利用されているとすれば、ドイツ系メーカーがこのような動きを嫌がり、日本的にいえば「自粛(縮小展示など)」を行ったというようにも見えてくる。プレスカンファレンスでも、たとえばBMWではカンファレンスのスピーチにおいて、ことさら電動車の普及目標などに主眼を置いた(かなり無理があるとの声もあがっている)スピーチを行ったが、発表モデルのメインは次期4シリーズを想定したコンセプトカーであり、会場では今回発表したM8や新型X6が注目を浴びていた。

 メルセデスベンツでもGLCやCLA、GLBなどをベースとしたAMGモデルのリリースが目立っていた。VWはピュアEVのID.3をワールドプレミアさせ、展示ブースもピュアEVをメインとしたエコカーのみとしており、カンファレンススピーチも合わせて唯一整合性がとれていた。ただ、アウディは床置きながら新型RS7の注目度が並々ならぬものとなっていた。

 表向きは「ピュアEVの普及に積極的に取り組んでいます」イメージをことさら強調するが、展示車は各ブランド自慢のハイパフォーマンスモデルが目立つミスマッチは前回のフランクフルトショーでも感じた。もちろんハイパフォーマンスモデルとはいえ、環境負荷低減を進めるための対応には取り組んでいるのだが、メーカーの本音はハイパフォーマンスモデルの販促にあるのではないかと感じた。しかしそれを素直にアピールできない「はがゆさ」がフランクフルトショーにあるとすれば、今回の出展メーカー激減は仕方のないことなのかもしれないし、ある意味フランクフルトショーの「終わりの始まり」を示唆しているようにも見えた。

(WEB CARTOP 小林敦志)

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