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フランクフルトモーターショー2017

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ニューモデル
2019.11.11

エンツォ・フェラーリのデザイナー起用 アイウェイズU5 中国の新EV

デザイナーはエンツォを手掛けたケン・オクヤマ

text:Richard Bremner(リチャード・ブレンナー)

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


中国の新興自動車メーカー、アイウェイズ(愛馳汽車)が生み出した中型SUVのEVがU5。2020年の発売予定で、価格は2万7000ポンド(375万円)と告知されている。

かなり甘い数字が出るNEDC値で、503kmの航続距離がうたわれている。実測に近いWLTP値での航続距離はまだ明らかではないが、通常は大幅に減少する。NEDC値でなら、さらに320kmは走れないと競争力として少々物足りない。

バッテリー容量は65kWhで妥当な大きさ。50kWの急速充電器を使えば、44分で80%まで充電が可能だという。不足のないスペックが並ぶから、アイウェイズとはどんなメーカーなのか、気になるところだと思う。

アイウェイズ(愛馳汽車)の創業者と主要メンバーは、中国のフォルクスワーゲンやアウディに在籍していた人物。デザイナーは日本人でエンツォ・フェラーリなどを手掛けたケン・オクヤマ。人工知能の分野からも有能な人物が関わっている。インターネットとの接続機能や運転支援システムなどに力を入れているという。

今回試乗したのは、プロトタイプとなるU5。中国の西安からドイツのフランクフルトへやってきた2台のうちの1台だ。これまでに10億ポンド(1390億円)以上を掛けて準備された工場から誕生した、初期のラインオフ車両となる。

ラインナップにはスポーツカーも予定

アイウェイズのサプライヤーとしては、シャシー開発に関わったドイツのボッシュ社や、電装関係大手のアメリカのリアー社など、著名どころが名を連ねている。EVメーカーとしての本気度が伺える。

ラインナップには、この中型SUVのU5の他に、5ドアクーペや小型と大型のSUV、高性能スポーツカーなども加わる予定だそうだ。

U5の最も直接的なライバルとすれば、どちらも日本には未導入だが韓国のキアeニロとヒュンダイ・コナ・エレクトリック。価格の面では強みはある。英国のMGにもZS EVという安価なモデルもあるが、バッテリー容量は40kWhしかない。

U5の特徴の1つが、スタートボタンがないこと。かわりにロックを解除して中に乗り込むことで電源が入る。スマートフォンを模したような、カーブを描いた計器用のインストゥルメント・モニターと、充分な大きさのインフォテイメント・システム用モニターが正面に並ぶ。

ブレーキペダルを踏み込む動作がスタートボタンを押す機能を果たす。ギアの選択はロータリーノブで行う。

発進加速は、アクセルペダルを優しく踏まない限り唐突に感じる。加速自体は慣れたEVのものよりも普通に感じられるが、アクセルペダルの調整は少し気を使った。

急な加減速をしないようにアクセルを操作するのは少し難しい。回生ブレーキの効率を最大まで高めると難しさは増し、ドライバーによってはギクシャクするはず。エネルギーの回生量とエコモードを呼び出すには、パドルスイッチではなくモニターで行う。

EVらしく静かな走りと広い車内

U5のボディサイズは一般的なCセグメントより若干大きく、フォルクスワーゲンTロックくらい。電気モーターは190psと32.0kg-mを発生させる。0-100km/h加速は9.0秒で、最高速度は159kmでリミッターが掛かる。

驚くほど速いわけではないが、ファミリーカーとして中型SUVに求められる走行性能には充分といえる。走り出してみると民主化された仕上りで、ドイツの極めて平滑な路面では、風切音やタイヤの転がり音などはほとんど邪魔に感じない程度。時折、電動工具のようなモーター音が強く聞こえてくる。

路面状態が良すぎて、乗り心地の評価は満足にできなかったが、ダンパーはしっかり仕事をしているようだ。ステアリングの操舵感は正確で、不安感なくコーナーへ侵入していける。

車内は前席も不満のない広さがあり、後席はリムジンのように広々している。荷室はこのクラスとしては平均的な大きさ。リアシートは折り畳むこともできるが、完全にフラットにはならない。

インテリアの質感は少し残念。ダッシュボード上面やドア内張りの上部はソフト加工されている。レザー張りの部分もあるが、下地のプラスティックの存在がわかってしまう。ドアノブも含めて、プラスティックそのままの箇所も多い。

センターコンソールはピアノブラック処理になっていたが、既に傷が目立っていた。グローブボックスはなぜか備わっていない。

市場に食い込める可能性はある

アイウェイズU5はまだプロトタイプ。これからアクセルペダルの設定が補正され、乗り心地も改善されれば、価格によっては充分に市場に食い込むことは可能だと思う。

航続距離も実用的なものとなるだろうし、充電時間も短い方だ。車内空間も大きく、安全運転支援システムやインフォテイメント・システムも充実している。

まだ未知の部分が多いアイウェイズとU5。航続距離と価格によって評価は変わってくる。発売開始時のU5は、メーカーとのリース契約のみでの提供となるらしい。ディーラーを持たずオンラインのみでの販売いうことで、不具合が出たときなどのサポート面で不安もある。

だがU5は訴求力がないわけではない。走行時の静かさと車内の広さ、インフォテイメント・システムの洗練性などは、明確な特徴だといえる。もしインテリアの質感も向上するなら、一層その強みは引き立つことになる。

2020年に欧州で順次発売が開始され、2020年後半には英国にも上陸予定だ。

アイウェイズU5プロトタイプのスペック

価格:2万7000ポンド(375万円・予想)
全長:-
全幅:-
全高:-
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:503km(NEDC)
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:-
パワートレイン:永久磁石モーター
バッテリー容量:65kWh
最高出力:190ps
最大トルク:32.0kg-m
ギアボックス:シングルスピード

(AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN)

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