フォレスター雪上試乗 公道で普通に乗ってわかる性能と気になるところ
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:SUBARU 1
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:SUBARU 1
総合雪国性能の追求は当然ながら車高以外にも及んでいる。例えばこれはフォレスターに限った話ではないが、スバル車では全車で優れた視界を確保する「ゼロ次安全」が基本とされ、一般的にはウインドウの配置や高さなどの基本要素で死角を限りなく減らす設計がなされている。が、雪国では通常のクルマのワイパーでは、ワイパーが停止する位置に雪が固着して動かなくなったり、結果ウインドウをうまく拭けない場合がある。スバルはこうしたことでゼロ次安全が妨げられないよう、スバル車のワイパーにはデアイサー(ワイパー停止位置に熱線を入れることで雪溜まりやワイパー固着を防ぐ装備、モデルによってはオプション)が備わり、そうした状況に陥らない対策がなされる。
今回は街中こそ雪は少なかったが、ルートを進むに連れて雪深くなり、天候も一時はホワイトアウトする様な状況が何度もあった。だが、そんな状況でもフロントウインドウ自体の視界が変わることはなかった。今年の北海道での他メーカーの雪上試乗会の際、中にはワイパー停止部分に雪が溜まって視界を遮るクルマもあったため、余計にその効果を実感した。
そして雪国だからこそ重宝するステアリングヒーターや、こびりついた雪を落としヘッドライトを確実に機能させるヘッドライトウォッシャーなど雪国で必須の性能が確保される。またエアコンのユニットも、吹き出し口を足元近くに配置するなどして、冬場の冷えを感じる要因となる足元への暖かな送風も考えられている。さらにシートヒーターなどは前後席とも当然用意されており、バックレスト上側まで範囲を拡大するなど、さりげない冬季性能を盛り込むのも特徴だ。
その他にも雪国での使用に役に立つ機能を細かに盛り込む。前輪にチェーンをつけた際、前輪の駆動力が増すことで相対的に後輪の駆動力が低下し、前後の駆動力バランスの関係でスピンしやすくなる特性を是正する制御も行っている。今回試したe-BOXERでは、回生ブレーキ時のアンダーステアを低減した他、X-MODEでは低車速域でモーターのトルクを優先的に配分してアクセルワークに対して忠実なトルク応答を実現するなどの制御も入る。これは思いの外有効で、滑りやすい路面での発進などではアクセル操作に遅れることなく適切なトルクが得られるので、スムーズに発進することができた。
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