目指したのは新潟県南魚沼郡湯沢町。日本屈指の豪雪地帯だ。目的地に近づくにつれ、路肩に追いやられていた雪がどんどん、走行ラインにまで侵食してくる。その日、折しも寒波が近づいていた影響もあって、路面はまたたく間にシャーベットから凍結路に…。
こんな時、不安なのは停止状態からの発進だ。うっかり不用意にアクセルを踏み込むと、タイヤが空転してしまいお風呂場のタイルに乗ったかのごとくツルツルとフィギュアスケート状態に陥ってしまう。
しかし、ノートe-POWER 4WDならこれを涼しい顔でこなしてしまうのだから驚いた。ドライバーはなんの工夫も必要なく、普通のドライ路面を走行するかのようにアクセルを踏めばいい。もちろんフラつくことも皆無だから、ステアリングの修正舵だって必要ナッシング。
搭載されている4WDシステムは、新開発のモーターアシスト方式。前・後輪それぞれを独立した専用のモーターで駆動させるので、きめ細やかな駆動配分が特徴だ。その制御はなんと100分の1秒単位で行われるのだからスゴイ。後輪のモーターには、前輪専用の強電バッテリーから大容量の電力を供給するから、時速0kmから後輪にも大きな駆動力を発生させることが出来るってワケ。
そしてこの制御は、ドライバーがタイヤの空転を感じる前に行われるということもポイント。ノートe-POWER 4WDには、2WDと4WDの切り替えボタンが装備されており、4WDを選択していても車速が上がると自動的に2WDに切り替わって燃費を抑制してくれたり、直進安定性重視の制御に切り替えてくれる。
逆に滑りやすい路面では、スリップを検知すると即座に4WDに切り替わってトルク配分を最適化してくれる。この駆動切替えの早さも、モーターアシスト方式だからなせるワザ。電気伝達の瞬間性を武器にした、頼れる制御なのだ。もちろんコレ、雪道じゃなくても威力を発揮。雨の日の坂道でもとても頼りになるのである。