マツダ最後のロータリーRX-8をいま一度味わい、未来へ想いを馳せた
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
スターターボタンを押すと「カチカチッ クシュッ!」という鋭い機械音が車内に響き、初爆の後に「グルグル~…」っと、ネコ科の猛獣がノドを鳴らすようなアイドリングが始まった。久しぶりのロータリーだ。短いシフトノブ(これもローターの形をしている)を1速に押し込んで、待ち合わせたサービスエリアを後にする。丁寧につないだつもりのクラッチだったが、アイドリングスタートを試みるとエンジンは、“ストン”と落ちた……。RX-8よ、相変わらずだなぁ!
気を取り直して再スタート。今度はちょっとだけアクセルを踏み込みながらクラッチをつなぐと、“エイト”はスルスルと路上を走り出した。それでもやっぱり、低速域でトルクが薄く、その動き方はどことなく頼りない。目が覚めたのは、アクセルを踏み込んでからだった。それまで落ち着きのない子供のようだった身のこなしにはピシッと筋が通り、速度を乗せれば乗せるほど、安定感が増して行く。まるでバイクだ!
メーターナセルの中央には、8500rpm(!)まで刻まれたレブカウンター。RX-7からハウジングを受け継ぐ13B「レネシス」ユニット(最高出力235ps)は、自然吸気。かつて280psを発揮した13Bターボのようなロケットフィールがない代わりに、踏めば踏んだだけ、気持ち良くそのパワーを漲らせて行く。
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