発明級の小技も!? 生活者視点で攻める新型スペーシア、ライバルは射程圏内
掲載 更新 carview! 文:高山 正寛/写真:中野 英幸 3
掲載 更新 carview! 文:高山 正寛/写真:中野 英幸 3
寸法に上限のある軽自動車ゆえに、どのメーカーも知恵と技術を使って室内空間の快適性や使い勝手、そして走りなどを向上させようとしていることに今更説明の必要はないだろう。で、新型スペーシアだが、すでに全長と全幅はサイズの上限、やれることは全高のみということになる。ダイハツ タントが作り上げたスーパーハイトワゴンの市場であるが、ここで存在感を示すためにも全高を旧型より一気に50mmも高くした(標準モデルのルーフレール装着車は+65mm)。
当然のことながら乗車時に影響する室内高も拡大し、この時点で販売されている軽乗用車トップクラスでウェイクに次ぐ1410mmとなる。ちなみにライバル車であるN-BOXは1400mm、チーフエンジニアの鈴木猛介氏によれば「27インチの自転車をスムーズに積載するためには荷室側からワンタッチで倒せるダブルフォールディング式のリアシートとこの寸法が必要だった」という。たかが10mmなのだが、そこにはミリ単位での設計がより高く要求される軽自動車ならではの苦労があるのだろう。
また荷室開口部にはその自転車の積載をスムーズに行うためのガイド(溝)を設置するなど芸が細かい。ワゴンRが新型になった時、リアドア内側にアンブレラホルダーを設置したのは見事なアイデアだと感心したが、このガイドも実際の使用時には確実に利いてくるはずだ。生活者視点というか、スズキはこういう部分の小技が本当に上手いと感心する。
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