エンジニアがテストドライバーに迫るドラテクを磨く、スバル流の哲学とは?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:SUBARU
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:SUBARU
前走車との距離は数十cm。6台の「WRX STI」が一列に隊列を組み、目の前を走り抜ける。次の周は、左右の車両間隔は最小で50cmを切っていたのではないだろうか、3台ずつが横並びの前後2隊列になり、目の前を走り抜ける。
栃木県佐野市、スバルの開発総本山にあるテストコース「スバル研究実験センター」の高速周回路。車体が空気を切り裂く音を奏でる速度、200km/hで隊列を組んで走り抜けるデモンストレーションからその日はスタートした。見るからに少しのハンドルの操作ミス、アクセルのコントロールミスで、前や横のクルマに接触しそうな編隊を組んで走る様子は、ブルーインパルスの航空ショーを連想させる迫力だ。
デモ車両には、スバルドライビングアカデミーのロゴなど専用意匠が施されていた。「んっ、スバルがドライビングスクールを開催している? 参加したい!」そう思ったスバルファンもいるだろうが、残念ながらそうではない。このアカデミーは、スバルが大事にする「安心」と「愉しさ」を高めるための、社内向けのドライビングスクール。いま目の前を走り抜けたドライバーたちの本業はエンジニアなのだ。
そう、普通ならデスクに座り、設計図とにらめっこをしているエンジニアが、高い運転技術とセンスを要する走りを体得している。まさにスバルの原点を確認できた瞬間だ。
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