熟成の3代目タント、広さと使い勝手のミラクル
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:中野 英幸
デザイン的な視点で見れば、ベージュ内装に親しみやすい顔つきとなるプレーンなイメージの標準車か、それとも、クロームメッキやLEDの採用で存在感満点の表情とブラック内装でシブくキメたカスタムかで好みは分かれるところではあるが、パワートレーンは標準モデルとカスタムに設定された自然吸気、もしくは、ターボが欲しいなら自動的に「カスタム RS」という選択になる。
いま注目が高まっている安全装備については、前走車との速度差が20km/h以内の状況で衝突を回避、または20~30km/hの場合に衝突被害を軽減する自動ブレーキシステムやアクセルとブレーキの踏み間違い事故を抑制する誤発進抑制制御装置、横滑り防止装置、先行車発進お知らせ機能などをパッケージにした『スマアシ(スマートアシスト)』があるけれど、こうした安全を底上げする装備を全グレードで選択できるようになっているのもメーカーとして志が高いと感じるところ。
「パワー的な違いは?」という点では、「燃費は譲れない」とか、街乗り主体の足としてクルマを選ぶなら、自然吸気がオススメ。発進加速は思いのほか軽快に走り出してくれるし、ゆるやかな上り坂を走るときは、今回新たに加わったCVTの登坂変速制御がエンジン回転を高めに維持することで、変速のリズムを崩さず、滑らかに走っていけるように配慮してくれていたりもする。ただ、高速道路の合流地点や追い越し時の加速においては、必要な車速に昇りつめるまで少々時間が掛かるのも事実。瞬発力やゆとりのパワーを求めるなら、断然ターボモデルがオススメといえる。
先代タントのターボは後から力がみなぎってくるタイプだったけど、3代目タントのターボは圧縮比を9から9.5にアップ。さらには可変バルブタイミング機構(DVVT)が加わっているから、常用回転域から自然に過給が始まって、まるで排気量がアップした自然吸気のエンジンを走らせているかのような大人っぽい加速フィールを披露してくれる。
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