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ヴィッツGRMNターボ、プロトタイプに先行試乗

ヴィッツGRMNターボ、プロトタイプに先行試乗

ヴィッツ GRMN ターボ(プロトタイプ)

興奮が冷めやらない

ヴィッツにはG'sモデルがすでに存在するが、前述した背景により、今回紹介するヴィッツのGRMNモデルの乗り味は別モノ。試乗したのはプロトモデル。8月に発表されるモデルに対して試乗タイミングは7月だったので、最終仕様の試験モデルという位置付けだ。

心地よい疲れ…体はダルさで包まれているが、心は楽しさや気持ち良さそして興奮の余韻にまだ浸っている状態。まさに試乗会場の富士スピードウェイから東京に帰る際の、ボクの状況を示すにはうってつけの言葉。GRMNの狙う、サーキット走行も楽しめるクルマとは? その答えは簡単。高い旋回力で体が外に投げ出されるような高い横Gを積極的に体験できるし、楽しめるクルマという解釈をすると良い。

シートは、レクサスの新型IS Fスポーツも採用したサポート性がすこぶる高い「一体発泡工法」を使い、専用のリクライニング機構付きバケットシートで仕上げている。この工法を使ったシートは、点ではなく面で体を支えるという、どこかの枕やベットマットの売り文句にも似た特性を持っており、優しく的確に体を支えてくれる。そのシートを駆使しているのに、根こそぎ体を奪い去るほど鋭い旋回力を示すので、全身に力を入れて耐えるしか無く疲れたわけだ。

もちろん旋回スピードを落とせば、遠心力だって弱まり体に優しくなるのは解っている。だが、そんな自制心はコースインしてコーナーをひとつ曲がった瞬間に、これまたクルマに根こそぎ奪い去られる。こういうのをアドレナリンの異常分泌による興奮状態と言うのだろうが、メーカー公式の試乗会でありながら、仕事であることを忘れるかのように存分に遊んだ! 楽しんだ!

その原動力は、どこまでも意のままにクルマが動いてくれる特性があること。こんな有りがちな表現になるのが歯がゆいが、このモデルの凄さは、前述した強烈な横Gが掛かる状況において、意のままにクルマが動き、遊べるし、楽しめる余裕をもてることにある。

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