新型ケイマン、ベストバイグレードはどれだ?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
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ケイマンといえば、言わずと知れたポルシェのミッドシップスポーツカー。その卓越した走りと快適性は神業レベルに達している。速さだけでなく、サウンドを含めた気持ちよさや並みの乗用車を凌ぐほどの快適な乗り心地、思いのほか優秀な燃費、リーズナブルな価格設定など、総合的に見ていまもっとも完成度の高いスポーツカーだと断言できる。
タイプ981と呼ばれる現行モデルは、2005年にデビューしたタイプ987に次ぐ2代目となる。多くの共通パーツをもつオープンモデルのボクスターは96年に初代のタイプ986が登場し、2004年にタイプ987、2012年にタイプ981へと進化した。つまり、初代ボクスターの時代にケイマンは存在せず、2代目ボクスターのときにようやく登場。その後も、まずはボクスターが進化し、少し遅れる形でケイマンが追いかけるという図式になっている。
興味深いのは、ケイマンのとらえ方は人それぞれ違うということだ。ある人は「ボクスターに固定ルーフを付けたモデル」、ある人は「911の弟分」、またある人は「911をも凌ぐポルシェスポーツの理想形」と考える。
僕がどう考えているかって? これはもうすべて正解である。ある部分を取り出せばケイマンは固定ルーフ付きボクスターだし、ある部分を取り出せば911の弟分だ。そして真剣に走らせれば、911をも凌ぐ卓越したスポーツ性能を味わわせてくれる。もう一点、毎日の足として使い倒すようなケースにおいて、ボクスターの泣き所である積載性に有効なソリューションを提供してくれる点も嬉しい部分となる。
というわけで、ケイマンには「固定ルーフ付きボクスター」という単純なキャラクターを遙かに超える様々な魅力が詰まっている。次のページからより具体的に見ていくことにしよう。
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