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SL63 AMG×清水和夫 アドレナリンと子守唄?

昔の恋人もすぐに忘れられる

スロットルにリニアに反応し、ドライバーのアドレナリンを溢れさせてくれた自然吸気のV8エンジンを懐かしく思い出しながら、スペック的には全性能で先代を上まわる新型SL63AMGのドライブを楽しんだ。

このエンジンは5.5リッターV8ツインターボで最高出力537ps、最大トルクは800Nm。オプションのAMGパフォーマンスパッケージはブースト圧やカムシャフトが変更され564ps/900Nmまでパフォーマンスが向上する。

トランスミッションは7速トルコンATを改良したAMGスピードシフトMCTの7速を搭載する。トルクコンバーターの代わりに湿式クラッチを採用し、加速時のダイレクト感を増している。ギアシフトのタイミングは四段階に切り替え可能で「C」はコンフォートでアイドルストップも可能だ。SとS+は変速が早くなり、切り替えの瞬間にはエンジン音にも変化が感じられる。実は、この辺りにAMGのこだわりがあり、排気行程でも若干の燃料を噴射し燃焼させる。勿論燃費は悪くなるが、アドレナリンを出す演技なのだ。

このAMG独自のサウンドはターボでも健在。昔の恋人を懐かしんでいても、すぐに新しい恋人に心が奪われていく。心に染みるエキゾーストサウンドを堪能し、さらにすばやいギアシフトとブリッピングを満喫した。

AMGパフォーマンスパッケージのステアリングを握ると、0~100km/h加速は4.2秒と強烈で発進ではトラクションコントロールが頻繁に作動するほどのトルクだ。最高速は300km/hでリミッターが作動するらしい。EUの混合モードの燃費は10.1km/Lと、先代よりも大幅に燃費が向上している。

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