最近のクルマづくりを理解するうえで欠かせないのが「クロスオーバー」という言葉だ。僕が初めてこの言葉を意識したのは80年代はじめのこと。ソウルやAORの要素を採り入れたイージーリスニング系のジャズ=フュージョンが流行し、当時はこれをクロスオーバーと呼んでいた。それ以降、音楽のクロスオーバー化はどんどん進み素晴らしいサウンドを生みだしていったわけだが、90年代に入るとクルマにも同じような考え方が浸透していった。いまではすっかり死語となった「RV」に乗用車のキャラクターを混ぜ合わせた結果、様々なクロスオーバーカーが生まれたのはご存じの通り。いまとなっては、クロスオーバーではない“純血”モデルが少数派になりつつあるほどである。
パサート・オールトラックは、パサート・ヴァリアントの車高(最低地上高)を30mm高めると同時に、無塗装の樹脂製オーバーフェンダーや専用のバンパーなどを与えたモデルだ。ステーションワゴンベースのSUV風クロスオーバーモデルというコンセプトのルーツを探ると、80年に登場したAMCイーグルに行き着くが、このジャンルを世界的に流行させたのは95年に登場したレガシィ・グランドワゴンだろう。その後、アウディ・オールロードクワトロやボルボXC70、ステージアAR-Xといったフォロワーが登場し、一定の盛り上がりを見せたものの、徐々に専用ボディをもつSUVに人気を奪われていった。
そんななか、アウディは従来のA6に加えA4にもオールロードクワトロを追加。秋にはスバルからXVが登場するなど、このジャンルは再び注目を集め始めている。その背景にあるものはなんなのか? パサートシリーズに新たに加わったオールトラックをテキストに、その魅力を探っていくことにしよう。
試乗ステージ:有明⇔新宿 車種:パサートオールトラック
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