ピレリ 2012年F1タイヤ アブダビ発表会を報告
掲載 更新 carview! 文:斎藤 聡/写真:ピレリジャパン、斎藤 聡
掲載 更新 carview! 文:斎藤 聡/写真:ピレリジャパン、斎藤 聡
そういう意味では、F1参戦2シーズン目となる今年こそ、ピレリのF1タイヤの真価が問われる年になるのだろう。
2011年シーズン用のタイヤは、その前年2010年シーズンのブリヂストンのタイヤがロングライフだったので、FIA側から、少しロングライフ性を抑えてほしいという意向が伝えられたという。これは見方を変えれば、ロングライフ性よりもグリップ性能を重視して開発してほしいという意味にも取れなくはない。
急遽開発したF1のタイヤが、すべての性能を満たすとはだれも考えていないし、過大な期待は寄せていなかった(現実的な判断だと思う)ということだろう。
実際、11年シーズンのタイヤは、グリップレベルの予想がつきにくく、それだけにタイヤ戦略の妙で順位が入れ替わるといった作戦が可能だった。
マシンの完成度があまり高くないQ1進出の瀬戸際にいるチームは、本数の仕様制限のあるタイヤの中からよりソフトなタイヤを使って予選を走らなければならない。すると決勝レースでフレッシュなソフトタイヤを使えないという事態が起こってしまうのだ。
あえてQ1進出を狙わず、フレッシュなソフトタイヤを温存して決勝レースに臨むことで、決勝レースを有利に進めることができるというわけだ。逆に皆がフレッシュタイヤを投入せず温存作戦にあるときは、あえてソフトタイヤを投入してQ1進出を図る。スタートダッシュで順位を守れればその後の展開を有利にすることができる。
そんな具合に戦略を巧く使って上位に喰い込む頑張りを見せたのが、可夢偉だった。もちろん作戦を遂行するドライビングスキルがあるからこそなのだが…。
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