アヴェンタドールに試乗 カーボンボディと新V12
掲載 更新 carview! 文:渡辺 敏史
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スタートボタンを押すと、ブリッピングと共に猛々しいエキゾーストが炸裂--というのは、この手のクルマでお約束の演出だ。アヴェンタドールも例外ではない。が、その音質はムルシェラゴよりも澄んだ綺麗なものになっている。12気筒の高圧縮・高出力ユニットといえば、通常その音は炸裂というより爆発に近いものになるが、この辺りはさすがに最新のマネジメントを持つそれだ。
転がりが滑らかに感じられるのは、進化したeギアともいえるISRミッションの器用さもあるのだろう。シングルクラッチ式ながら、変速入力と共に次に予想されるギアへの噛み込みを構える二段式シフトロッドを採用したそれは、走行時に於いてデュアルクラッチ式に対しても遜色のないスムーズな変速を実現している。加えてクラッチのリンケージも更なる進化を遂げており、街中の渋滞で無用にシャクるような動作もほぼ解消した。とはいえ、そこは全長4.7m超に全幅2m超という巨体。さすがにガヤルドのようにサラサラとはいかず、一定のマス感を伴いながらズシッと歩を進める感覚は伴う。
昨今のスーパースポーツのアベレージに対して、アヴェンタドールの常速域での乗り味ははっきり硬めだ。700psのパワーを受け止めるサスペンションユニットはオーリンズの固定レート式を採用、更にそれをエンジンルーム後方にレイダウンさせ、プッシュロッドで動かしている。レーシングカーさながらの構成は日本の法定速度程度では、性能を発揮するに充分な入力も入らないのだろう。とはいえ、それは不快に過ぎるというほどではなく、どえらいものに乗せられているという適度な緊張感を維持するにはかえって都合がいい。車内に入る振動や音も、カーボンシャシー特有の硬質なものではなく、その丸さや鈍さはアルミシャシーに近いところを思わせる。ブレーキのフィールもランボルギーニのカーボンセラミックとしては画期的にユースフルになった。更にいえばステアリングフィールもずしんとしており、ペダル類の保持力もそれなりに重く--と、アヴェンタドールは持ち前である軽さをことさらに強調するような小手先の演出は加えられていない。履いてるタイヤの太さをそのまま手応えや乗り心地として伝えてくる、最新のフラッグシップモデルをして、随分ナマっぽいクルマだという印象だ。
それでもムルシェラゴに比べれば、車内環境からして歴然と快適な高速道路のクルージングを終えて、クローズドコースでようやくそのパワーを試すことになった。3つのモードが設定できるドライブセレクトモードを、最も快適なストラーダから中間のスポーツに合わせ、コースに入る。
エンジンの吹け上がりは猛烈に軽い。モード変更による・・というよりも、本体設計からくるムービングパーツの軽さが際立っている。直近に乗ったフェラーリFFの、エンツォ譲りの12気筒ユニットを思い出してみても刮目するほどのピックアップは、完全にこれまでのランボルギーニ12気筒のイメージを逸している。加えて、スタートから8000rpmまで、音の粒感も綺麗に揃っているものだから、にわかに自分が乗っているクルマがランボルギーニとは思えなくなってくる始末だ。但しその音質自体は高音に過ぎることなく、適度なドスを効かせている。なんにせよ、これが新しいランボルギーニだという意気込みはビシビシと伝わってくる。
とあらば、アヴェンタドールの速さに関しても、それまでのランボルギーニのイメージは一切切り捨てて感じ取るべきだろう。150km/hを超えると離陸していきそうな全体挙動と戦う印象があったムルシェラゴまでのそれとは真逆で、このクルマは速度を増すほどに着陸したかのようなスタビリティをみせる。エアロダイナミクスがきっちり作用し、車体が地面にめり込まんばかりに押しつけられる、たとえばGT-Rや458イタリアなど、昨今のスーパースポーツにみられるドライブフィールを、アヴェンタドールはこのルックスの中にしっかり内包していた。
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