C63AMGクーペに試乗 珠玉の自然吸気、M156
掲載 更新 carview! 文:石井 昌道/写真:メルセデス・ベンツ日本
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ボディサイズは全長4707×全幅1795×全高1391mm。セダンに比べてわずかに短く低くなるぐらいでさほど大きな差はない。今回はC63AMGクーペへの単独試乗だったが、記憶にあるセダンにも増して正確無比なハンドリングが印象的だった。同時に試乗したスタンダードのCクラスクーペではV6よりも直4のほうがノーズが軽く反応が良かったが、C63AMGクーペならば巨大なV8エンジンの存在が気にならない。ステアリングを切れば切った分だけ正確にノーズがインに向いていく。剛性感が一際高く感じられ、どこにも曖昧さがない。
スタビリティも高いがコーナー立ち上がりで全開にすればさすがにリアタイヤは悲鳴を上げ始める。3ステージのESPをONにしておけば、よほどのオーバースピードでない限り何事もおきないが、ESPスポーツに切り替えるとかなりの姿勢変化を許すようになる。適切なカウンターステアを当てないとリアがスライドを始めるが、スピンに陥る2歩か3歩手前あたりでドンと制御が働き、安定方向に導いてくれる。ただし、一度ESPが働いてしまうと再びフルパワーを引き出せるまでに少々のタイムラグがあるので楽しくはない。ESPスポーツで制御が働かないように走ると、ちょうど気持ちよくスポーツドライビングができるといったところだ。
コンパクトなボディに珠玉の6.3L NAユニットを搭載したC63AMGクーペは、SLS AMGを別格とすれば究極のAMGの一台と言っていいだろう。もう一つの朗報は、セダンの経験を通して熟成度を増しているのか、乗り心地も望外に良かったことだ。大きな段差を越えるときなどはさすがにビシッと硬さを感じることもあるが、通常の路面ならば不快に思うことはほとんどなく、高速道路のロングドライブも快足にして快適だった。
日本導入は2011年秋。日本でも人気の高いC63AMGだが、クーペの登場によってさらに勢いを増すことになりそうだ。
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