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W12・610ps最速モデル GTCスピードに乗った!

暴力的なスペックとエレガントなボディ

停止から100km/hまでをわずか4.8秒で加速し、最高速は322km/h(オープン時は314km/h)に達する--「ベントレー・コンチネンタルGTCスピード」のエレガントな姿からは、このクルマがそんな暴力的なスペックを持つとは俄かに信じられない。ダークティント加工を施されたフロントグリルやリアスポイラー、20インチの大径アルミホイールといったディテールがこのクルマがベントレーの中でも最強のエンジンを積むスピード・シリーズの一員であることを控えめに主張しているが、あくまで英国車らしい気品を纏う4座のエレガントなコンバーチブルといった佇まいである。

4804mm×1927mm×1388mmの堂々たるスリーサイズを持ち、インテリアには上質な革やウッドがふんだんに奢られている。幌を上げてしまえば外界の喧騒とは無縁の快速サルーンであり、幌を下ろせば心地よく頬を打つ風がオープンエアの楽しみを与えてくれる。

しかし、アクセルを踏み込めば、一瞬にしてこのクルマが特別なモデルであることを思い知らされる。排気量はノーマルの「コンチネンタルGTC」と同じ6リッターだが、コンロッドの軽量化、フリクションロスの低減、エンジンマネージメントシステムの変更などにより、最高出力610ps/6000rpm、最大トルク76.5kg-m/1750~5600rpmまで性能を高められたツインターボW12ユニットがZF製6段ATを介して4輪を駆動する。

堂々たるボディサイズ、エレガントな内外装、比類なき静粛性といった高級車の条件に加えて、他を圧倒するスペックが揃う「ベントレー・コンチネンタルGTCスピード」は、真の意味でベントレーと呼ぶに相応しい。正直なところ、日本のような島国で周囲の目を気にする人には向いていない。このモデルは明らかに、英国のような階級社会で“あるクラス”に属する人々のために作られたクルマだからだ。彼らは、社会的な責任を果たしているからこそ、ベントレーのようなクルマに乗るという大胆な行動が許されるのだ。

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