フィアット 500C 試乗! チンクエチェントの本命
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:FCAジャパン
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:FCAジャパン
500Cのキャビンに収まって、さっそく夏の盛りのトリノの街に飛び出す。キャンバストップはルームミラーの上のボタンを押すと開閉できるが、それを押し続けるとまずリアシートの真上あたりまで開いて一旦ストップする。そこまでの所要時間がおよそ9秒。そこからあらためてボタンを押すと、さらに6秒ほどでトップは全開になる。
そこまで開くと、リアシートの住人も頭の上は青天井になるので全員が開放感に浸れるが、しかしちょっと問題が生じる。全開時の写真を見れば一目瞭然なように、畳まれたキャンバストップがリアウインドーの位置に溜まってしまうため、ルームミラーをとおしての後方視界が絶望的になってしまうのだ。この状態でバックするのは止めた方がいい。
見方を変えれば、少なくとも1人か2人で乗っているのなら、トップをリアシートの真上あたりまで開いた2/3開状態でも頭上の開放感は全開の場合と事実上変わらない。しかも2/3開状態であるなら、ガラス製のリアウインドーをとおしての後方視界も、トップを閉じたときと変わらずクリアに見える。というわけで、普段は開けるとしても2/3開状態まで、というのが500Cの実用的な乗り方ではないかと思った。
しかも、その2/3開状態で走って、フロントのウインドシールドの上にあるディフレクターを立てると、キャビンへの外気の巻き込みがかなり少なくなって、エアコンの冷気を直接身体に浴びることができる。天井が抜けた開放感を味わいながら、エアコンの恩恵も受けられるとは、フィアット500C、小さいながら贅沢なクルマはないか。
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