帝王ゴルフに最も近づいた新型マツダ3。課題はエンジンパワーや次世代インターフェース
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office、マツダ
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office、マツダ
試乗したのは122psと213Nmを発生する4気筒2.0Lと6速MTを搭載した欧州仕様のハッチバックである。24Vのベルト駆動のスタータージェネレーターが装備され、マイルドハイブリッドの機能を果たす。アイドルストップからのスムースな再スタート、滑らかなシフトチェンジの他、エンジンのトルクもサポートする。
はっきり言って残念なのは、アンダーパワーな点で、アップダウンに富んだこのワインディングロードでは、スポーティカーに太刀打ちするためには頻繁なシフトダウンが必要になってくる。しかし、全域に渡って均一で軽い操舵力と、路面からのインフォメーションがしっかりと伝わってくるステアリングのお陰で、コーナではむしろ追い掛ける側に立つこともできた。
短時間の試乗で得た結論だが、デザイン、品質、シャシーの素直さなどで、肯定的な意味で“ジャパン・ゴルフ”、つまりゴルフにもっとも近いところにいる存在であることが確認された。
こうした魅力(デザインや品質、シャシー性能)はアメリカで成功しているトヨタやホンダでの開発ではプライオリティが低いために、「カローラ」や「シビック」が欧州へ持ち込まれるとボコボコにされるわけである。マツダの欧州、特にドイツにおける成功はそこにある。昨年の成績は6万7387台で、日本メーカーとしてはトヨタに次ぐ2位、オーバーオールでも15位に入っている。
マツダ3の弱点はアンダーパワーだ(試乗モデルに関する限り)。「走るとその真価が分かる。それも走れば走るほど、開発エンジニアの思いが伝わってくる」のであれば、もっと走りを楽しませてほしい。そのためにはもう少しパワーで面白さを演出してほしいのだ。
また、マルチメディア/HMIシステムも課題である。今後、次期ゴルフやFF化された次期「BMW 1シリーズ(F40)」など続々と登場するコンパクトセグメントの中で、タッチパッドやボイスコントロールを持たないマツダ3は半歩前進のように見えてしまう可能性がある。
この点は、フェイスリフトで如何にHMI、ユーザーインターフェイスの進化を見せるかに掛かってくると思う。
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