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メルセデスAMG G63を南アフリカでテスト 百獣の王とオフローダーの王が対決?

Gクラスに500馬力超のスポーツエンジンを積む必然性とは

AMG G63に搭載されるエンジンは4リッターV8ビターボで最高出力585馬力、最大トルクは850Nmとなっている。また9速スピードシフト(オートマチック)との組み合わせで、0-100km/hは4.5秒、最高速度は220km/hでリミッター制御される。ただし、この数字に満足できないオーナーはAMGでのハイスピード・ドライバートレーニング参加と引き換えに240km/hまでリミッターが引き上げられる。

ヨハネスブルグ郊外で初めて対面したAMG G63はまずAMGモデル専用の立て格子の「パナメリカーナ・グリル」が、そして22インチタイヤを装備した全長4.8m、全高1.97m、そして自重2.7トンの堂々たる風格を漂わせている。さらに、40年以上も変わらないドアハンドルを引っ張って乗り込んだキャビン内に広がるインテリアは豪華なナッパ・フルレザー・トリムで仕上げられている。

無骨なエクステリアからは想像できない、この豪華、かつフルデジタル表示のハイテックなインテリアは都会のジャングルをクルージングするには最適である。

とりわけ最初のデリバー時に設定されている限定バージョンの「エディション1」はエクステリアそしてインテリアに赤いアクセントが施されエクスクルーシブな雰囲気で包まれている。

正直言って最初は500馬力超えのパワーを持ったスポーツエンジンを搭載したGクラスの存在意義を疑ったが、こうして過酷な荒野を走り回っていると、確かにパワーは必要であり、それをしっかりとコントロールできるデバイスがあれば、オフロードのスーパーカーとして十分な存在意義があると実感することができた。さらに帰路のオンロードでのダイナミックな挙動は圧巻で、ドライブモードでスポーツプラスを選択すると、わずかなスロットルペダルの動きも逃さず2.5トンの巨体が物理の法則を裏切るような俊敏なダッシュ力を示す。9速ATのスムースさや足回りのしなやかさにも舌を巻くほどだ。

昨今のハイエンドSUVブームではあるが、こうした両極端な二面性を発揮できるSUVは少ない。メルセデス・ベンツ AMG G63には新参モノを寄せ付けない百獣の王のような貫禄が漂っていたのであった。

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