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63年モノの伝説の名車300SLでミッレミリアに出場した・後編

波乱万丈のゴール。ミッレミリアに出場するには?

レースはずっと天候には恵まれていたが、ローマ到着の直前に凄まじい夕立が襲い、我々を含む先行グループは風で飛んでしまったサインを見逃して、公園からウロウロと市内へ戻り、一時間以上も経って警官に先導されてきた後続グループと一緒にゴールした。幸いなことにこのセッションはキャンセルになった。

いろいろなことがあったが、3日目にブレシア(スタート&ゴール地点)という懐かしいサインが見えて来た。あとおよそ50kmの最終ステージでエレンが「さあ、あなたの番よ!」「ちょっと燃料が底をついてきたけれども大丈夫!」といってクルマを停め、私をドライバーズシートに誘う。「ユーモアたっぷりで忍耐強く最高のナビゲーターだったわ!」。

私が「これからも参加するチャンスがあると思うから」と遠慮すると、さっさと助手席に座って「最後まで侮らないで、ところでどのコマ図?」と質問するのだった。覚悟を決めた私は現在地を教え、最後のセクションへと走り出す。沿道は人が溢れ返っており、先に着いた我々のメカニックたちも「無事で良かったね!」と手を振ってくれる。

眼鏡が曇って来たが、慎重に最後のコーナーを回れば真っ赤な表彰台が遠くに見えて来るはずだ。だが、なんとここでも大渋滞。そうこうするうちに気になっていた燃料計の針がEに達してしまった「どうしよう!?」もちろんガソリンスタンドなんか無い。

そこでエンジンを止め、渋滞を幸いに自力で押すことにする。ハラハラしながらなんとか最後の100mを押し切り、表彰台の手前でエンジンをかけようとするがダメ。チョークとスロットルを調整しながらのクランキングを続けると、ブオーンと排気音が響いた。「やった!」と二人で目を合わせポディウムへ上がると、大歓声が耳に届いた。「エレン・ロアー・アンド・ヨシ・キムラ、完走おめでとう!」ちくしょう、またまた眼鏡が曇って前が見えなくなった。

こうして、私のミッレミリアは終わった。成績は残念ながら例のGPS利用のインジケーターに足を引っ張られたおかげで散々で、総合で147位、300SL同士でも4位に過ぎなかった。けれどもこの体験は非常に貴重なもので、この仕事をやっていなければとうてい実現しなかっただろう。

ちなみに、ミッレミリア参加に興味があるが、参加可能なクルマは所有していないと言う方は、メルセデス・ベンツ・クラシックが車両レンタルとフルサポートをするプログラムがある。値段はそれなりにすると思うが、4日間の経験が生涯忘れる事のできない思い出となるのは間違いない。

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