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早くもup! に試乗した! ドイツより緊急レポート

早くもup! に試乗した! ドイツより緊急レポート

■up! の限定内覧会は試乗つきだった!

期待が高まるフランクフルト・モーターショー (IAA)の直前、フォルクスワーゲンは欧州各国から少数のジャーナリストをヴォルフスブルグの本社、そしてデザインセンターに招き、まもなく世界初公開される「up!(アップ)」のスニーク・プレビューを行った。それは単なるスタティックイベントではなく、およそ35kmのテストコースまで用意されていたのである。

■ポロより430mmも短い

アップは全長3540mm×全幅1641mm(ただしドアミラーを広げると1910mmもあり、日本の立体駐車場では要格納)×全高1478mm、ホイルベース2420mmで、前後のオーバーハングはそれぞれ585mm/535mm。見るからに四角い箱であるが、Cd値はこの長さにしては驚きの0.32と発表されている。

定員は4人、トランク容量は通常で251リッター、リアシートを畳むと951リッターにまで広がる。これは430mmも長いポロ(280~952リッター)とほとんど変わらない。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビーム。車高が15mmローダウンするスポーツサスペンションも用意され、小さくてもドイツのクルマであることは主張している。標準装着ホイールはスチールキャップ付きの14インチ、タイアは165/60R14で、オプションの15インチでは185/55R15となる。さらにスペシャル・バージョンのホワイト・アップでは16インチ(185/50R16)も選べる。

■3種類のラインが設定される

注目の重量はエントリー・モデルの「テイク・アップ」が929kg。アップには基本的に3種類の仕様がある。エントリー・モデルの「テイク・アップ (take up!)」、2番目が「ムーブ・アップ (move up!) 」、そしてトップ・バージョンが「ハイ・アップ (high up!)」である。また、スペシャル・モデルとして、ハイ・アップベースの「up! black」」と「up! white」が用意される。

外装色はホワイト、ライトブルーそしてレッドの3色がソリッド、ライト・シルバー、ダーク・シルバーそしてダーク・ブルーがメタリック、そしてブラック・パールとピュア・ホワイトがパール効果を持っている。

■参考燃費は60ps版で23.8km、75ps版で21.3km

最初に乗ったのはスペシャル・バージョンの「アップ・ホワイト」で、搭載されているエンジンは排気量999ccの3気筒、最高出力55kW(75ps)/6200rpm、最大トルクは3000-4200rpmの間で95Nmを発生する。組み合わされているトランスミッションは5速MT(DSGはオプション)で、メーカーのダイナミック性能公表値は0-100km/hが13.2秒、最高速度は171km/hだ。また公称燃費はECE規格で4.7L/100km(21.3km/L)、二酸化炭素排出量は111g/kmだが、その他のモデルは79g/km~108g/kmで、最小値の79gはアイドリングストップやブレーキエネルギー回生、低転がり抵抗タイアなどを搭載したブルーモーション・テクノロジーCNG仕様(50kW/68ps)で達成される。

ガソリン仕様の燃料タンクは35リッターで、60ps仕様であれば満タンで833kmの航続距離を持つ計算になる。インテリアはシンプルだが安っぽさが感じられない、その清潔感とクオリティはアップル・デザインを思い起こさせる。コストダウンを感じさせたのは打ち抜き鉄板のようなペダルステー、ドライバー側にしかないウィンドー開閉スイッチなどの装備関係である。

■3気筒エンジン&5速MTの走り

スロットルを踏み込むと3気筒エンジンはバランサーも無いのに、けっこうスムースに回る。エンジン音もよくダンピングが効いていて、むしろフルスロットル時に僅かな独特の振動で3気筒だと分かる程度である。気になったのはメリハリの無い、ストロークの大きなMTシフトの操作性である。まあDSG(デュアルクラッチ)ならば問題ないが、このクラスではMTを購入する人も少なくないはずで、改善すべきであると思う。

加速は排気量から想像できる並の感じだが、踏んでいっても無闇にエンジン音が大きくならないのは良い。関心したのは乗り心地の良さで、ピッチングもロールも殆ど感じられず、オーバーハングを切り詰めたポジティブ効果だと思う。これならば長距離でも疲れはないだろう。念のためにアウトバーン上で80km/h付近でちょっと荒っぽいレーンチェンジを繰り返したがスタビリティが失われる事は無かった。これならば突然エルク(ヘラ鹿)が飛び込んできても問題は起こらないに違いない。ただし最高速度の171km/hはちょっと楽観的で、130km/h以上からは加速は明らかに鈍ってくる。

■居住スペース&ハイテク自動ブレーキ

リア・スペースはシートの大きさも十分、平均的日本人(170cm) のヘッドクリアランスも十分で、普通に腰を下ろす事ができるようになっていた。さらに足を前シートの下に入り込ませる事が出来るのでリラックスした姿勢がとれる。

アップには搭載されたレーダーによって30km/h以下であれば前方車両や歩行者などの障害物を感じて緊急ブレーキを掛ける市街地安全システムも用意される。もちろんオプションだがこのクラスでは初の試みでVWの積極的な安全対策の姿勢は評価できる。

■VWらしい高品質感は健在だが…

短時間の試乗で明らかになったアップの優れた点は、高い居住性(特にリア空間)と快適な乗り心地を実現しながら、確かな操縦安定性も約束していることだ。それ以外では、フォルクスワーゲンの得意とする精度の高さによる仕上がり感も健在。逆に言うと、Aカテゴリーとしては室内のレイアウト、そしてフレキシビリティにしても何ら工夫は無く、特に革新的なものは見当たらない。

価格を低く抑えた結果、今や装備が不可欠となっているアイドリングストップシステムもオプション扱いである。

■このままでは新興市場では通用しない

それゆえに今日必要とする機能や装備品を加えると間違いなく1万3000ユーロ(約145万円)に達するだろう。国民所得の高いドイツ国内であれば、まだなんとかなるかも知れないが、「一体誰が買うのか?」という疑問が無くはない。若者の財布はそんなに厚くはないはずで、彼らはこのミニマム・トランスポーターにどのような反応を示すだろうか? 東欧、南米、さらにはインドなどではこのままでは通用しないだろう。まあフォルクスワーゲンのことだからインド向けには何か考えているにちがいない。

■日本ではプレミアムモデルとして販売

生産拠点はスロバキアのブラティスラバで、ポルシェ カイエンやトゥアレグと同じ工場で品質管理が行われる。ドイツでの注文開始時期は9月13日から、欧州では12月からで価格は1万ユーロ以下とだけ発表されている。

日本での発売次期や価格は未定だが、ヒエラルキーを重んじる日本のガイシャ市場でのポジションはニッチなものになるだろう。すなわちあらゆる装備を満載した場合の価格を考えると、お金持ちのサードカー、あるいはライフスタイルを重んじるリッチな若者といったところだ。もちろんアップのEVバージョンは大いに期待できるが、早くても2016年以前は間に合いそうも無い。

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