工具の神様に、素人が最初に揃えるべき&使って感動モノのブランド工具を聞いた
掲載 更新 carview! 写真:編集部
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クルマのDIYはホームセンターで売っている工具でも作業できますが、ときにネジをナメてしまったり、使いづらくて作業に時間がかかったりすることもなきにしもあらず。そんな不便を解消してくれるのが専門ブランドの工具です。
第1回目はプロ用工具を取り扱う「ワールドインポートツールズ」の樋口店長にオススメのドライバーを教えていただきましたが、第2回目となる今回は続編ということで、他にもDIYで活躍するオススメのブランド工具を引き教えていただきました。
クルマの電装系の作業に欠かせないのが「ニッパー」。配線や結束バンドをカットするのに活躍しますが、樋口店長オススメは「クニペックス」の「スーパーニッパー リードキャッチャー付」です。工具の世界ではハサミのように使う工具のことを「つかみもの」と呼びますが、そのつかみもので有名なブランドがドイツの「クニペックス」なのです。
特徴は大きく3つあり、1つ目は軽い力でも簡単に切れる切れ味。クニペックスのニッパーはとにかく切れます。2つ目はフラットになる切断面。普通のニッパーは結束バンドの余り部分をカットした際、少しだけ切り残しが出てしまい、そこに手や腕をひっかけて怪我することがあるのですが、このニッパーは切り残しが全く出ません。3つ目は切断した配線や結束バンドを落とさず保持してくれるところ。狭い場所で切れ端を落としたくないときなどに重宝します。
・KTC「ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル 鉄紺」
お次はエンジン内のパーツや外装の脱着などで活躍する「ラチェットレンチ」です。これこそ安価なセットが無数に売られていますが、ブランド工具の使いやすさを知ってしまうと安物は使えなくなるかもしれません。おすすめのラチェットハンドルは日本メーカー「KTC」の「ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル 鉄紺」。「ネプロス」はKTCが展開しているハイグレード工具ブランドです。
このラチェットハンドルの特徴は大きく2つあります。1つ目は太めで握りやすいグリップ。太めにすると重量バランスが崩れて使いにくくなってしまうのですが、グリップを中空構造にすることでバランスのよいグリップを実現しています。
2つ目はギア数です。ラチェットの特徴となるギア数ですが、細かければ細かいほど少しの戻しでもギアが噛んでくれるので、狭い場所でのボルト締めなどが可能になります。そのギア数はKTCブランドのノーマルのラチェットが36歯なのに対し、90歯! 角度でいうと1ノッチをノーマルでは10°戻さなければいけないところをネプロスのラチェットは4°で戻せます。ちなみに9.5sq(スクエア)はソケットレンチの差し込み口のサイズを表しいています(四角の二面幅が9.5mm=3/8インチ)。「鉄紺」は真空めっき「イオンプレーティング」を表面処理に採用した限定モデルです。
・コーケン「Z-EAL(ジール) セミディープソケットレンチ(9.5sq)」
ラチェットハンドル(ソケットハンドル)とセットで使うのが「ソケット」(ボックスレンチの頭の部分)です。様々なタイプがありますが、樋口店長のオススメはこちらも日本のメーカー「コーケン」の「Z-EAL (ジール) セミディープソケットレンチ(9.5sq)」です。コーケンはソケットレンチ専門のメーカーで、プロでも愛用している人は多いのではないでしょうか。
ラチェット(ソケット)ハンドルとソケットは別々のメーカーでもいいの? というところが気になりますが、ソケットレンチは規格が決まっているので、別のメーカーでも組み合わせて使うことが可能。組み合わせによっていろいろな使い方が出来るのも、工具の面白いところだったりします。
このZ-EALの特徴は、ボルトを「面接触」で回すことです。一般的なソケットレンチはボルトの角で回すため、角をナメてしまうと回せなくなってしまいますが、これはソケットの面で接触するためナメにくくなります。また最近のクルマに多く使われている頭の低いフランジボルト「低頭ボルト」とのはめ合わせを考慮して、ソケットの先端面からボルトとソケットの当たる面を浅くしてあります。これまでのソケットと比べてボルトとソケットの接触面積が大きく、しっかりとはめ込んで回すことができます。
オススメのドライバー編でも登場したスイスのブランド「PB(ピービー)スイスツールズ」が再び登場です。クルマのDIYでも活躍範囲が広いハンマーですが、この無反動ハンマーの特徴はヘッドにディスクが内蔵されていて、打撃時に内部のディスクが下側に打ち当たり、自力で叩いた以上の衝撃を加えることができます。女性も含めて力に自信がない人でも、強い力で叩くことが出来るわけです。さらに打撃時の衝撃が手に伝わってこないので手に負担がかかりにくいのも特徴です。
いかがでしたでしょうか? どのメーカーの工具も使いやすさを追求した工夫があって、それを感じながら作業するDIYというのもなかなか楽しかったりします。できれば一度手にとってみて、自分の手に馴染むかどうか試してみてください。
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